- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
“ドラフト1位候補だった”甲子園優勝投手の評価はなぜ落ちた?「156km左腕よりも速く感じた」重要証言も…日ハム3位・末吉良丞が“呪縛”から解放された日
posted2026/10/25 17:01
ドラフト3位指名を受け、沖縄尚学の会見場で取材に応じる末吉良丞。1年前から日本ハムのスカウトはその能力を高く評価していた
text by

松永多佳倫Takarin Matsunaga
photograph by
Takarin Matsunaga
◆◆◆
「怪我もあったので指名されるとは思っていませんでした。北海道日本ハムファイターズについては、結果を出せば早い段階から試合に出られるチームという印象を持っており、もう一度しっかり怪我をしない体作りをしながらローテーションに入りたいと思います」
記者会見に臨んだ末吉良丞は安堵の表情を浮かべながら、満面の笑みで写真撮影に応じる。こんな末吉を見るのはいつ以来だろうか。
ドラフト1位候補は、なぜ評価を落としたのか?
ADVERTISEMENT
昨夏の甲子園で圧倒的なピッチングを披露して沖縄尚学を優勝に導き、U-18ワールドカップでもエースとしてフル回転した末吉は、なぜドラフト1位の12人に入らなかったのだろうか。春先の怪我の状況がドラフト順位を下げた要因とはいえ、1年前と今では、景色がまったく違っているように思えてならない。
横浜の織田翔希や山梨学院の菰田陽生も高校2年時から“次世代のBIG3”として注目を集めていたが、去年の夏以降、ある一時期まで高校野球界は末吉を中心に回っていた。しかし今年春のセンバツでは1回戦で敗退。そして4月のU-18高校代表合宿に参加したあとに左肘に違和感を覚え、“左肘靭帯の部分断裂”と診断される。そこから約3カ月間、一度も実戦で投げずにリハビリに徹した。
6月。夏の沖縄県大会がスタートすると末吉は初戦からDHで出場し、「今大会の登板は難しい」とまで囁かれていた。だが準決勝の名護戦で先発として復帰し、6回を被安打2、8奪三振、無失点に抑え、最速144kmをマークする。そして決勝のエナジックスポーツ戦でも9回に登板し、1点差に詰め寄られながらも最後の打者を三振で切って取った。
決勝では5人に対して19球を投げて、ストレートが11球。そのうち145km以上が8球。故障明け2試合目にして、スピードは十分に乗っていたように思える。ただ、今思えば甲子園への切符を懸けた決勝戦を締めくくるクローザーの立場だ。球場が異様に盛り上がるなかでアドレナリンが分泌され、短いイニングということもあって146km、147kmを連発した可能性も高い。


