- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
「巨人の織田翔希“強行指名”にビックリ」末吉良丞がドラフト直前に小声で言った「下位でしょう」…現地沖縄で密着「じつは日ハムが1年前から狙っていた」
posted2026/10/25 17:00
日本ハムの3位指名を受けて目を丸くする末吉良丞。同期のライバルたちの指名の瞬間にもさまざまな反応を見せた
text by

松永多佳倫Takarin Matsunaga
photograph by
Takarin Matsunaga
◆◆◆
「いやあ、いっても下位でしょう」
この日のために8:2分けのツーブロックの髪型で決めた末吉良丞が、はにかみながら小声でそう謙遜した。
ADVERTISEMENT
記者会見場は沖縄尚学高校の5階にある講堂だった。野球部員を含むクラスの仲間たちとドラフト会議が始まるまで待機していた末吉は、緊張も手伝ってか、すこし弱気になっているような印象を受けた。
「借りてきた猫のようにちょこんと…」
ドラフト会議当日の10月22日。台風30号が接近する沖縄本島の那覇市は、朝からどんより厚い雲が空一面を覆い、昼過ぎには土砂降りの雨が降った。
悪天候のなか、なんとか事務局のエントランスに15時前に到着した。その時点で取材陣は同時に到着したNHKだけしかおらず、少し拍子抜けしてしまった。しかし16時近くになると、続々と地元メディアが訪れ総勢30名ほどが集結した。比嘉公也監督と部長が秋季九州大会開催地の熊本への移動で不在だったため、学校関係者が現場を取り仕切り、取材にあたっての注意事項を述べた。
その後、記者会見場となる5階の講堂に移動する。正面にはプロジェクター用の100インチほどの大スクリーンが掲げられていた。50近くのパイプ椅子が規則的に並べられ、そこに野球部の面々を含んだ同じクラスの生徒たちが陣取っている。その一番前列の真ん中に、おなじみの丸坊主姿ではない、すこしだけ大人の雰囲気を纏った末吉が、借りてきた猫のようにちょこんと座っていた。
ドラフト会議開始までまだ時間があったため、17、18歳の同級生たちは座りながら各自たわいもない雑談をする。彼らにとってこれも淡い青春の1ページに過ぎないのだろう。ただ末吉だけが少し緊張しているのか、心持ち表情が硬い。無理もないだろう。一世一代のドラフト会議で、余裕綽々でいるほうが変だ。
16時50分になり、スクリーンに中継の映像が映し出されると、ワイワイと騒いでいた高校生たちの視線が一斉に画面に集中した。
17時、いよいよドラフト会議が始まる。「第1巡選択希望選手」が順に読み上げられ、生徒たちは息をひそめてスクリーンを凝視する。数台のカメラが向けられているせいか目線だけキョロキョロしていた末吉も、注意深く中継映像を見つめていた。


