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「おい、愛甲。張本さんにビールぶっかけてこい!」張本勲に愛された男が明かす衝撃「“あんた”って呼んでいた」ロッテ監督・山内一弘との関係性
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岡野誠Makoto Okano
photograph byNumber Web
posted2026/10/03 11:02
張本勲の現役時代を知る愛甲猛
6月24日、ロッテは高橋博士のサヨナラヒットで前期優勝を果たす。川崎球場の練習場でのビールかけに、未成年の愛甲も参加した。
「張さんには、誰も近寄ってなかった。みんな尊敬しているから、恐れ多くてビールなんて掛けられないですよ。『ワッー!』とハシャいでくれれば、まだ行きやすいかもしれないけど、そんな絵も想像できない」
1人で佇む張本に、先輩たちが「おい、愛甲。張さんにぶっかけてこい!」と焚き付けた。樽の酒を持ち上げた18歳は、インタビューを受ける張本の元へ忍び寄った。饒舌に話していたベテランは、良からぬ気配を察知した。百戦錬磨の男が鋭い眼差しで振り返った瞬間、愛甲はひっくり返ってしまった。
栗橋茂、片平晋作に“強烈ヤジ”
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翌日、愛甲のプロ初先発の試合で、張本は「3番・DH」で出場し、3号2ランを放つ。だが、これが現役最後の一発となってしまう。後期、出番の少なくなった41歳はベンチの真ん中後方で饒舌に語っていた。
「機嫌いい時はずっと喋ってました。若い頃の話をよくしてましたね。『盗塁とかセーフティーバントをしたら、笑いながら走ってたわ。相手を見下しとったね』と言ってました。で、静かになったな……と思うと、寝ている。サングラスしてるから、外から見てもわからないんですよ」
盗塁の嗅覚は、晩年も衰えていなかった。開幕戦ではノーサインで二盗を敢行して失敗に終わったが、4月19日の近鉄戦、8月9日の西武戦では成功。現役最後の盗塁は、4番・落合の時に決めている。
出場機会が激減しても、張本はヤジでチームに貢献していた。日本ハム戦では三塁コーチの今津光男を「コラッ!」と威嚇した。
「相手のコーチより年上なんだ……と思っていたら、張さんのほうが年下でした」
近鉄戦では栗橋茂に「おまえ、アホか! 練習中にブレスレットして!」と叫び、南海戦では片平晋作に「コラッ! 名刺なんか作ってんじゃねえ! なんで野球選手が名刺だ!」と怒鳴った。
「よく見ているし、情報網もすごいんですよ。片平さんは『南海ホークス 4番打者』という名刺を作って、キャバクラで配っていたらしいです」
監督に疑問「あんた何考えてんだ」
相手をヤジで威嚇するだけでなく、山内監督のサインに疑問を呈する時もあった。
「ダメだ、こんなところでエンドラン出しちゃ! あんた何考えてんだ」
愛甲は心の中で「また『あんた』って言ってる……」と呆気に取られていた。
「『監督』って呼んだのを一度も聞いたことがない。『プロ野球って、こういう所なんだ』と勘違いしました。実績があれば、監督も選手も関係ないんだなって。でも、徐々に気付くんです。あれ? 張さん以外で監督を『あんた』って呼ぶ人いないなって」
張本は前年、落合の一軍昇格を山内監督に直談判。指揮官はその意見を取り入れ、スタメンで使った。ある試合で、落合が2打席ノーヒットに終わると、山内監督は交代を決断。ベンチを出ようとすると、張本がユニフォームの袖を引っ張り、引き留めたこともあった。

