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「とにかくバネバネしてる(笑)」前マラソン日本記録保持者も驚いた《APEX》は魔法のシューズか…開発過程を直撃取材「2層のエアが出発点」 

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涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

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posted2026/10/01 09:46

「とにかくバネバネしてる(笑)」前マラソン日本記録保持者も驚いた《APEX》は魔法のシューズか…開発過程を直撃取材「2層のエアが出発点」<Number Web> photograph by Kensaku Wakui

NIKEの新作シューズ「APEX」を構成するパーツ

「コミュニケーションの面、伝えやすさという意味では、確かに『軽量性』の方が単純明快だ。しかし、私たちは『明快さ』を追求しているのではなく、あくまでもアスリートの『可能な限り最高のパフォーマンス』を追い求めている。

 もちろんシューズの重量とランニングエコノミーは実際にリンクしている。シューズの重さを100g削るごとに、ランニングエコノミーは1%向上する。しかし、150gや100gのシューズを仮に0gまで削ったとしても、得られる改善は1%に過ぎないんだ。私たちがモデルチェンジごとに目指しているのは、数%単位の大きなパフォーマンス向上なので、重量だけで勝負することはできない。

 もちろんこれからも軽量化は追求し続けるが、ランニングエコノミーを向上させる推進力を犠牲にしてまで軽さを追うことは絶対にしない。それでは本末転倒になってしまう。マーケティングの戦いには勝てるかもしれないが、実際の『パフォーマンスの戦い』には勝てなくなってしまうからだ」

耐久性は「100マイル」が目安になる?

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 そして軽量化に伴い犠牲になってきたのが耐久性だ。フルマラソンを1本走ると、本来の性能が失われてしまうシューズも少なくない。その点、APEXはどうなのか。

「シューズの耐久性はランナーの走り方、接地面のクセ、走る場所によって大きく異なるため、具体的な目標数値を断言するのは危険なんだ。でも、テスト段階で分かっていることとしては、アスリートたちがかなり安全に『100マイル(約160km)』程度まで履き込めていたということ。

 Alphafly4なら少なくとも300マイル、人によっては500〜600マイル走っても問題ないけど、APEXの寿命は『100マイル程度』と暫定的に言えるかもしれない。とはいえ、本番前に長めのポイント練習を数回こなした上で、自信を持ってレース本番に臨めるだけの十分な耐久性は備わっているよ」

 NIKEは9月中旬にAlphafly4を発表し、APEXと同時に「Swooshfly」という低価格レーシングシューズの登場も予告した。ここ2年ほど、やや停滞していた感もあったNIKEのレーシングモデルのラインナップが一気に活性化している。

 こういったラインナップの充実が、APEXという先鋭的な新しいシューズ開発を後押ししたのだろうか。

「Alphaflyという多くのランナーに履いてもらえる素晴らしいシューズが存在するからこそ、Apexでさらに限界を押し広げる、つまり突き抜けた設計をするためのライセンスが得られた、というのは事実だね。どちらのシューズもフルマラソンを走るために設計されたシューズ。ただ、APEXの履き心地は賛否が分かれるかもしれないし、万人のためのシューズではないかもしれない。しかし、世界記録に向けて限界に挑むアスリートにとって、このAPEXこそが最高のチャンスをもたらすと確信しているよ」

「Yes, we have some ideas.」

 インタビューの最後、ブレットに「次」について尋ねてみた。それはインタビューの途中でこんなことを言っていたからだ。

「APEXの最終的な着地点には満足はしているが、ここで収まることなく、さらに先を目指しているよ」

 すでに次なるスーパーシューズの構想はあるのだろうか。

「Yes, we have some ideas.」

  答えは驚くほど単純だった。

「私たちが利用できる開発ツールが増えているし、そして素材を含めたイノベーションのスピード自体が今、急激に加速しているんだ。だから、とてもワクワクしているよ。APEXの完成度には非常に誇りに思っているけど、さっきも言った通り『「満足はしているが、ゴールはここではない』んだ。次に何が来るかは既に見えているし、そのさらに先に来るものについても分かっていて、本当に楽しみだよ」

 NIKEの反転攻勢は、APEXというランニングシューズ生態系の「頂点捕食者」とともに始まるのかもしれない。

 ただそれを証明するのは開発者の言葉や株式市場の数字ではないはずだ。トップアスリートの順位や記録、そして市民ランナーの自己ベスト追求といったパフォーマンスこそが、NIKEやブレットが追い求めてきたもの。だからこそNIKEの復活は、レースで、ランナーたちの走りでしか証明できないはずだ。

<前編から続く>

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「これで本当に走れるの?」NIKEが極秘開発した厚底シューズ《APEX》を試してみると…開発担当者は「ゼロドロップは…」「世界記録奪還へ手応え」

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