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「とにかくバネバネしてる(笑)」前マラソン日本記録保持者も驚いた《APEX》は魔法のシューズか…開発過程を直撃取材「2層のエアが出発点」
posted2026/10/01 09:46
NIKEの新作シューズ「APEX」を構成するパーツ
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涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph by
Kensaku Wakui
今回は筆者がAPEXの新しさを考える上で、特に重要だと考えた3つのポイントを深掘りしていきたい。
まず1点目は新しい「ZoomX LT」だ。これまでのモデルのミッドソールに使われてきたフォーム素材のZoomXはNIKEのレーシングシューズ開発の根幹をなすテクノロジー。今ではほぼ全てのシューズメーカーが当たり前のように厚底シューズを発売しているが、NIKEが10年前に、軽く、しかも反発のあるZoomXというフォーム素材を開発できたからこそ、革命的な「厚い」のに「軽い」という非常識なシューズが生まれたと言ってもいい。
その後もNIKEはフォーム素材の構造や作り方を細かく改良しており、エネルギーリターンや耐久力を高めてきたが、名前は一過して「ZoomX」のままだった。それが今回初めて「LT」という別称を付けた点にも自信のほどが伺える。
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「標準のZoomXより17%も軽くなり、エネルギーリターンは8%向上している」
そう語るブレットの表情には、進化を続けてきたZoomXを、さらに発展させたことの充実感が滲んだ。そしてベアフット系シューズを想起させる「ゼロドロップ」というオフセットについてこう言及した。
「ゼロドロップは、解剖学的でよりナチュラルな走りを連想させることが多い単語だよね。もちろん一部のランナーにはそういう役割もあるけど、APEXで採用した目的はそれではない。このシューズのゴールはあくまで『最大級のパフォーマンス』。ミッドソールを中心としたロッカー構造も意図的に設計されていて、走り出してしまえば、いわゆる典型的なゼロドロップシューズとはまったく違う感覚になる作りになってるよ」
形状が「反転」したカーボンプレート
次に注目したいカーボンプレートは、これまでの厚底シューズに内蔵されてきたものとかなり違う。ミッドソール内のかなり高い位置に配置されており、また全面的に再設計された「インバースウェーブ」と呼ばれる形状が独特すぎるのだ。
「Alphafly 4や他のシューズのプレートと比べると、形状が『反転』しているんだ。オーソドックスなプレートは前足部で地面に向かって沈み込む形状だが、Apexは上に戻る形状になっている。これは踵の安定性を最大限に高めるために施された設計なんだ。そしてプレートはエアに荷重をかけるためにその『上』を通る必要があった。エアバッグを完全にコントロールし、しっかりと圧縮できるようにするためだね。これは、現時点ではかなりユニークなデザインだと思う」
立ったり、歩いたりした時に感じた不安定さ、不自然さはこの上に反るプレートの形状も影響しているはずだ。そして逆に、走った時に感じる安定性にもこのプレートの形状、時に幅の広さなどが寄与しているという。
何十万回と繰り返されたシミュレーション
では、一見不自然なこのプレートの形状は、どのように導き出されたのか。


