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テニスPRESSBACK NUMBER
「錦織圭は救世主」“テニスはお荷物”から一変「加入者爆増で臨時ボーナスまで…」あの日、WOWOWに何が起こったのか「あの瞬間を境に全社員が…」
posted2026/09/29 11:04
2014年全米オープン準決勝でジョコビッチを下し、喜びを爆発させる錦織圭
text by

近藤裕介Yusuke Kondo
photograph by
AFP/JIJI PRESS
あれから、12年が過ぎた。2014年の全米オープン。第10シードで出場した錦織圭は、ミロシュ・ラオニッチ、スタン・ワウリンカ、そして当時世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチをなぎ倒し、偉業を成し遂げた。日本人初の4大大会男子シングルス決勝進出。そして、一つの会社の運命を大きく変えた。《全2回の1回目/第2回につづく》
今や、テニス中継と言えば「WOWOW」を思い浮かべる人も少なくないだろう。だが実は、錦織がジョコビッチに勝つ“あの日”まで、同社内のテニスに対する熱は驚くほど冷めていた。
莫大な経費に中継延長「テニスなんか流すな」
理由は、大きく2つあった。1つは、試合時間が長引くこと。錦織ブーム以前のWOWOWは映画や海外ドラマに人気があり、テニス中継延長の度に放送が潰れたため、多くの視聴者から「テニスなんか流すな」とクレームが入った。
もう1つは、中継に莫大な経費が掛かること。4大大会の開催地は全豪のメルボルン、全仏のパリ、ウィンブルドン(ロンドン)、全米のニューヨーク。期間中、複数人のクルーが現地に滞在するだけで、とてつもない金が消える。見合う利益があるのか、社内で疑問視する声が上がるのも当然だった。
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現在、株式会社WOWOWのスポーツ事業部チーフプロデューサーで、テニス担当を務める加藤弘樹も、苦い経験をしてきた一人だ。大学までテニスに打ち込み、けがで引退後はテニスコンテンツに携わることを夢見て同社に入社した。だが、テニスを応援する気持ちは当初、社内で冷たい視線にさらされた。

