ベテランの証明BACK NUMBER

青学大・原晋監督「34歳はおじさん」発言に反論した納得のワケ…マラソン日本記録保持者・大迫傑35歳が今、テーマに掲げる奥深い“2文字”

posted2026/10/09 18:00

 
青学大・原晋監督「34歳はおじさん」発言に反論した納得のワケ…マラソン日本記録保持者・大迫傑35歳が今、テーマに掲げる奥深い“2文字”<Number Web> photograph by Kanta Nakamura

昨年、34歳でマラソン日本記録を更新した大迫傑

text by

涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

PROFILE

photograph by

Kanta Nakamura

10月11日、大迫傑がシカゴマラソンに挑む。昨年12月に自身3度目となるマラソン日本新記録を樹立してから約10ヶ月。35歳になったパイオニアは、どんな思いを胸に、スピードレースになることが必至のシカゴに挑むのか。その大迫はマラソンに対する自身の考えをまとめる目的で、9月中旬から9本の動画をYouTubeにアップするという異例の取り組みを実行した。本人の指名でインタビュアーを務めた筆者が、大迫が「ずっと強い理由」を解き明かす。(全2回の1回目/続きを読む)

 マラソンランナー・大迫傑の強さは、どこから来るのだろうか。

 この7、8年ほど何度も何度も考えてきた問いだ。

 2度のマラソン日本記録を出して東京五輪出場権を獲得すると、本番ではサバイバルレースで実力を出し切って見事に6位入賞。一度は引退を表明するも復帰すると、2度目のMGCでは再び3位となり、パリ五輪の出場権を獲得した。そして昨年、34歳で2時間4分55秒というタイムを叩き出し、再び日本記録保持者になっている。

ADVERTISEMENT

 日本人選手にとっても、マラソンで2時間6分台、7分台は珍しいものではなくなってきている。大学生が初マラソンで簡単に驚くようなタイムを出してくる時代だ。だが、タイムの面でも、レースにおける勝負という面でも、再び大迫傑の「強さ」が際立ってきた印象がある。

「なぜ強いのか」、いや「なぜずっと強いのか」。

 取材で本人に質問をぶつけ、練習パートナーやマネージャー、ともにレースを走った選手らの証言を集め、自分なりにマラソンやランニングについての知識を深めることで、その答えに辿り着こうとしてきた。

 ・大きな怪我をしないこと(肉体的な強さ)

 ・目標を決めたら、ブレないこと(精神的なタフさ)

 ・10代から20代前半で磨いたスピード(長期的視点でのトレーニング計画力)

 ・長期で高地トレーニングをできること(経済面を含めた練習環境構築力)

 これくらいは多くの人が思いつく理由だろう。

 だが、今回、ケニアとZoomで繋いだインタビューで、新しい発見があった。それは「テーマを設定する力」だ。テーマというややビジネス的な単語に、唐突な感じがするかもしれないが、パリ五輪以降の大迫の強さに直結するものだと感じたので、深く掘り下げてみたい。

 9月上旬、画面越しの大迫本人、そしてSNSにアップされた練習の様子からは、随分と体も顔も絞れているように見えた。

【次ページ】 納得感を持って走りたいタイプ

1 2 3 NEXT
#大迫傑

陸上の前後の記事

ページトップ