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「世界から最も遠いトラック種目」女子ロングスプリントは復活できる?…五輪は“4大会出場ナシ”でも「難しくはないと…」“世界との壁”を崩すには 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byAsami Enomoto

posted2026/10/09 11:42

「世界から最も遠いトラック種目」女子ロングスプリントは復活できる?…五輪は“4大会出場ナシ”でも「難しくはないと…」“世界との壁”を崩すには<Number Web> photograph by Asami Enomoto

現在の日本女子スプリント界を引っ張る松本奈菜子と井戸アビゲイル風果の東邦銀行コンビ。吉田真希子監督が語るそのポテンシャルは…?

 決勝では、松本の外側のレーンを走っていたUAEの選手が最後の直線で松本の前に飛び出しレーンに進入してくるアクシデントがあった。

「ラスト90mが(いつもより)0.4秒ぐらい遅かったので、あれがなければ51秒台は出ていたと思います」

 冷静に対処し52秒17の好タイムで金メダルを獲得しただけに、まさかの事態が悔やまれた。

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 今季も51秒台そして日本記録への挑戦は続いている。しかし、確かに見えるところにあるが、なかなか届かない。

「上手に400mを走っている」からこその“壁”

 今年6月の日本選手権で松本は2年ぶり4回目の優勝を成し遂げたが、フィニッシュ直後に晴れやかな表情を覗かせることはなかった。決勝の52秒94というタイムは到底納得のできるものではなかったからだ。

「何回も同じぐらいのタイムを出しているので、すごく上手に400mを走っているのだと思うんです。でも、リズムが染み付いちゃっているのかな。私がやっていた400mハードルは特にそうなんですけど、歩数が安定してくると、その歩数でリズムが染み付いてきちゃうんですね。松本もそうなのかなと思っています」

 現在は確立されたレースパターンを一度崩してみるなど試行錯誤の最中だ。

 後半に強い選手だが、8月の富士北麓ワールドトライアルでは前半から積極的に飛ばすレースを試した。結果は52秒28と、またしても51秒台には届かなかったが、新たな挑戦に好感触はあった。

 もう1人、松本のチームメイトで女子200m日本記録(22秒79)を持つ井戸アビゲイル風果もまた、400mで51秒台を出せるポテンシャルを持った選手と言っていいのではないだろうか。

 200mを主軸に置いており、この2年は400mのレースを走る機会は少ないが、昨年の東京世界選手権では松本と共に混合4×400mリレーで日本記録を樹立した。また、今季も同種目で世界リレーに出場している。

【次ページ】 指導者として感じる「教え子たちの可能性」

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