博多の人・王貞治BACK NUMBER
「来年も開幕頼むぞ」「僕、手術していますけど?」ダイエー王貞治が“強運の投手”西村龍次にかけたまさかの名言「開幕投手には『格』がいるんだ!」
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喜瀬雅則Masanori Kise
photograph bySankei Shimbun
posted2026/09/29 11:08
2000年には開幕の1試合しか投げられなかった西村だが、2001年も開幕投手を託された
「その時の和巳は、実績がそんなにないんやけど、投げているボールは、そりゃすごかったから」と西村は、自分の代わりに斉藤が開幕投手を務めてもいいのではないかと考えてもいたという。さらに若田部はダイエー在籍中の11年間で、実は一度も開幕投手を務めていない。「そうなんだ? 若田部って開幕投手、していないんだ? 意外だね」と西村。2001年当時なら、それまでの実績、31歳という年齢を考えても、若田部なら誰もが納得できただろう。
王の放った「とんでもない名言」
「もう、無理です」
その断るはずの場で、王から「とんでもない名言を頂きました」と西村はいう。
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「開幕投手には『格』がいるんだ」——。
その言葉に、心が奮い立つのを感じたという。
「それはそれで、一方では嬉しいけど、不安だったよ。できる? 俺の肘、いける? みたいな不安は、ね」
この“格発言”で、王はかつて、物議を醸したことがあった。
王ダイエー2年目の1996年の開幕戦は、ロッテが相手だった。当時、ロッテには後のメジャーリーガー・伊良部秀輝、2メートル8センチの長身左腕エリック・ヒルマン、投球術に定評のあった右腕・小宮山悟と、95年に2桁勝利を挙げた先発3本柱がいた。
ところが、開幕投手に指名されたのは、32歳の左腕・園川一美。想定外の人選だったのもあるだろうが、前述の3人がいながら、その“次ランク”ともいえる園川の起用は、次カードの西武戦を睨んでの3本柱の温存と見る向きもあり、裏を返せば、ダイエーを軽視している起用法と受け取れなくもなかった。
「開幕投手には『格』ってものがあるだろ」
開幕前日、予告先発の通知を聞いた王が、怒りと疑問を呈した一連の発言は、当時のメディアにも大きく取り上げられ、どこか違った意味で、園川が注目を浴びることになった。
その開幕戦での園川は5回途中2失点で降板も、序盤にダイエーの開幕投手・工藤公康を攻略したロッテが6-4で勝利している。ちなみに当時のロッテの投手コーチは、後に王が自ら自宅に電話を掛けて招聘、99年の日本一、00年のリーグ連覇に大きく寄与する鉄壁のリリーバー陣「勝利の方程式」を作り上げた尾花高夫だった。

