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「ぐちょっ」「ぐちょっ」激痛に悶え病院直行…西武一筋25年で引退の栗山巧が明かすプロ初満塁弾の裏側「あんなに辛かったことはあとにも先にも…」 

text by

栗山巧

栗山巧Takumi Kuriyama

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2026/09/26 11:03

「ぐちょっ」「ぐちょっ」激痛に悶え病院直行…西武一筋25年で引退の栗山巧が明かすプロ初満塁弾の裏側「あんなに辛かったことはあとにも先にも…」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

引退セレモニーで胴上げされる栗山巧

 小林雅英さんの高めの直球を空振りした際に、右手首に違和感が生じました。

「ぐちょっ」というような感触があった

 タイミングが外れたと思いつつも、グッと力を入れてバットを出しにいった。

 その瞬間「ぐちょっ」というような感触があったのです。

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 最初は、手のひらのマメがつぶれた、と思いました。

 でも、いったん打席を外して、手袋を外して確認しても、何もなかった。

 試しに、ぐっと手を握ってみました。すると再び「ぐちょっ」という感触があった。

 これは手首を痛めたなと確信しました。

 おそらく、明日からはしばらく試合に出られない。

 であればせめて、この打席で結果を残して、復帰後につなげたい。

 そう、覚悟を決めました。

 2ストライクと追い込まれていたこともありました。

 あと一振り。死ぬ気になれば、犠牲フライくらいは打てるはず。

 そう思って、再び打席に入りました。

 シュート系のストレート。うまくとらえたはずでした。

右手に激痛「その場にうずくまりたい」

 狙い通り、レフト方向に距離が出る当たりが上がった。

 なのに、芯を外したかのような激痛が、右手に走りました。

 その場にうずくまりたいと思った。でも、そうはいかない。

 歯を食いしばって走り出したとき、外野スタンドがワッと沸き立った。

 僕にとってプロ初の満塁ホームランでした。

 試合は6―1で西武が勝ちました。

 痛みに悶えながら、僕は病院に直行しました。

 ホームランを打って回るダイヤモンド一周が、あんなに辛かったことはあとにも先にもありません。早く引き揚げて、病院に行きたい。スタンドインの直後から、そのことばかりを考えていました。

 検査結果はすぐに出ました。

 有鉤骨(ゆうこうこつ)という手首に近い部分の骨折でした。

 なぜバットを振って、この部分の骨が折れてしまうのか。

 いまだに解明されていないと聞きます。

 僕は手術と、長期離脱を余儀なくされました。《第3回につづく》

#3に続く
「あいつは今、何を思っているんだろう」盟友とのスタメン争い…西武・栗山巧が「そりゃ、チームは強いだろうよ」と語り合ったワケは
この連載の一覧を見る(#1〜3)

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