核心にシュートを!BACK NUMBER
「綺世がミスしたって」「剛くんがミスしても」渡辺剛、W杯での涙に秘めた“上田綺世との絆”「CLで結果、出したいですね」日本代表DFの決意がアツい
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byMolly Darlington/Getty Images
posted2026/11/01 17:02
渡辺剛とフェイエノールト時代に切磋琢磨した上田綺世。日本代表である2人の友情は厚い
《センターバックはどんなに素晴らしいプレーをしても、1本のミスで評価は地に落ちる。でも、フォワードは10本シュートを外しても、1つのチャンスを決めれば評価される》
ただ昨シーズン、フェイエノールトでチームメイトになった上田綺世と毎日のようにサッカーについて語り合う中で、意識は変わっていった。
「綺世と話していても、やはりフォワードの選手もすごくプレッシャーを感じていることや、ゴールを決められなかったら評価は低いのだと覚悟していることがわかって。だから最近は、『センターバックの選手がどうこう』とかは考えなくなりました」
「綺世がミスしたって」「剛くんがミスしても」
ADVERTISEMENT
その代わり、2人はこんな言葉を交わすようになった。
「綺世がミスしたって、俺がカバーするから」
「剛くんがミスしても、俺がゴールを決めて、それを返すことができるから」
あらためて思い出すのは、ブラジル戦後の話である。上田の「ごめん」に、渡辺はなぜ、迷わず「謝んなくていいんだよ」と返せたのか。その答えは、もう出ている。
住む世界がまるで違う2人は、それでも互いの重要さを認め合い、1年間、隣で戦い続けてきた。ブラジル戦後、渡辺が上田の背中に顔をうずめて流した涙は、負けた悔しさだけのものではなかったはずだ。決して交換のきかない役割をそれぞれ背負いながら、共に大きな責任を背負って戦ってきた男同士の、労いの涙でもあった。
笑顔の別れと、未来への誓い
8月30日、フェイエノールトでの上田の姿は見納めになった。
エールディビジ第4節、ADOデンハーグ戦の後半、上田は3試合連続となるゴールを決めると、試合後のピッチで渡辺は上田とユニフォームを交換した。翌日、上田のフランス1部リールへの完全移籍が正式に発表された。悲しみのなかで交わした抱擁から、わずか2カ月。今度は互いの胸のエンブレムを交換して、笑顔で別れた。表れ方はまるで違っても、そこに流れているものは同じだ。
渡辺は言う。

