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甲子園の風BACK NUMBER
「甲子園、めちゃくちゃ遠い」夏の甲子園から離れて34年…高校野球の名門・池田高校の現在は? 池田OBの現監督が痛感した“名将・蔦文也の不思議さ”
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byAFLO
posted2026/08/17 17:29
池田高校を率いて甲子園3度優勝。高校野球界屈指の名将として知られる蔦文也
安打5本に終わった打力をはじめ、足りなかった点はさまざまにあるだろう。が、わたしは技術云々よりも、和田が話した「拠り所」の話を忘れられずにいた。
ピンチを迎える、チャンスで打席に立つ。勝負の分かれ目に直面する。そのとき、高校生たちは何を考えるのだろうか。言葉か、無心か、あるいは――。
池田が窮地に追い込まれるたびに…
少なくともこうは言える気がする。
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拠り所にしたものが実際にどんな効果をもたらしたか、もたらさなかったかは重要ではない。データで測れるものでもないし、御守りくらいの気休めにしかならないかもしれない。
池田が甲子園で勝ち続けた時代、部員たちが頭に思い浮かべたものは、この日スタンドでわたしの頭に去来したものと同じであった気がする。池田が窮地に追い込まれるたびに無意識に浮かんだ、ある男の風貌である。
「技術的なことを教えてもらったことはない」「直接話した記憶がほとんどない」「ベンチにドカッと座っている姿が相手に威圧感を与えていた」。黄金期の池田OBたちは口々にそう証言していた。
ベンチに座る老爺を見て、再び勝負の瞬間に戻る。そのとき池田の生徒たちはこう思ったのではないか。
うちには蔦先生がいる。だからどうにかなる。
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