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甲子園の風BACK NUMBER
「甲子園、めちゃくちゃ遠い」夏の甲子園から離れて34年…高校野球の名門・池田高校の現在は? 池田OBの現監督が痛感した“名将・蔦文也の不思議さ”
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byAFLO
posted2026/08/17 17:29
池田高校を率いて甲子園3度優勝。高校野球界屈指の名将として知られる蔦文也
語尾が弱まる口調に無念さが滲む。
――結果論で恐縮ですが、投手継投の迷いはありましたか。
そう尋ねると、和田は毅然と否定した。
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「いえ、事前に決めていたことなので。選手たちはよくやってくれました」
8回まで好投したエース大久保に涙はなかった。終盤に登板した投手陣を慮る。
「僕も緊張したので。練習試合でも感じたことがないような緊張でした。だから、あの終盤は仕方がないです。久しぶりに俺たちがやるんだ、甲子園に出るんだ、と思っていたんですが」
「甲子園、めちゃくちゃ遠いです」
ショートで出場した2年生・鐘崎舷三郎は、湧き出る涙をユニフォームで拭いながら話す。
「(生光学園は)隙がなかったです。僕だけでなくチーム全体にも、池田のプライドはあったと思います。(夏の甲子園に出れば)34年ぶりというのも知っていました。うーん。踏ん張りきれなかったです」
10回表にマウンドに上がった佐藤も声を落とす。
「チームが強くなっているのは間違いないんです。ただ、生光学園のほうが個の能力が高かった。甲子園、遠いです。めちゃくちゃ遠いです。目指してます、って言えるくらいまでは来てたと思うんですけど、やっぱり遠いですね」
生光学園の校歌を聞きながら空を見上げたとき、和田は「たどりつかんかったか」と思ったという。
「34年ぶりは意識していました。でも、遠い。本当に遠いなと思いました。現役のときはそう感じなかったんですけどね。指導者になるとわかりますね。足りてないもの? すべてでしょうね。指導者(の力)も大きい。すべての面でスケールが足りてない。悔しいです」
「粘り勝つ」という戦い方は池田の部員たちにも浸透していた。尋ねた部員そのすべてが、「うちは粘って勝つ野球しかないんで」と話していた。


