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甲子園の風BACK NUMBER
「甲子園、めちゃくちゃ遠い」夏の甲子園から離れて34年…高校野球の名門・池田高校の現在は? 池田OBの現監督が痛感した“名将・蔦文也の不思議さ”
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byAFLO
posted2026/08/17 17:29
池田高校を率いて甲子園3度優勝。高校野球界屈指の名将として知られる蔦文也
池田の先発はエースナンバーをつけた大久保迅。4日前の試合でタイブレークの10回表を無失点に抑え、裏のサヨナラ勝ちにつなげていた。
「ロースコアになると思います」。和田が予想したとおり、スコアは1-1の展開がつづく。池田は終盤にかけて再三にわたってピンチを迎える。「粘り勝つ野球」を体現している。大久保も、崩れない。
準々決勝もタイブレークに突入し…
9回表、大久保に代わって2年生・鈴木順正がマウンドに上がる。三者凡退に抑える。和田が話した「投手力がうちの武器」という言葉を思い出す。背番号19の2年生がこの大舞台で、完璧に投げ抜いた。たしかに徳島でも屈指の投手陣といえるのではないか。
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準々決勝もタイブレークに突入した。粘り勝つ池田にとっては、理想の展開に思われた。
10回表、和田は投手を代える。背番号11小川瑛斗がマウンドに向けて走る。先頭打者にライト前安打を打たれ、無死満塁。つづく打者に四球。押し出しで1点を失う。
ここで和田は、再び投手を代える。背番号10佐藤元伸を送り出す。大久保と並ぶエース格の左腕だった。だが、絶体絶命といえる無死満塁で登板した佐藤の制球が定まらない。死球と四球が絡み、この回に池田は5点を失った。
スタンドの声援が静まる。「ここからだぞ」のかけ声が寂しく響く。粘り勝つ野球を志向した池田に「5点」はあまりに巨大であった。1点を返すも、そのまま敗れた。
泣き崩れる池田の部員たち。生光学園の校歌が流れる。和田が一瞬、空を見上げる。
現監督がキッパリ否定した“ある質問”
口を一文字に結んだ和田が取材場に現れる。
「試合はプラン通りではありました。理想的な展開でした。この展開なら勝てるんじゃないか、と思っていたんですけど……」
