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「部活の体を成していない」練習は閑散、熱血指導は空回り…弱小だった“偏差値78”「関西の超進学校」ハンドボール部が強豪になった“奇跡の軌跡”
text by

別府響Hibiki Beppu
photograph byShiro Miyake
posted2026/08/05 11:01
今夏のインターハイへの出場を決めた東大寺学園ハンドボール部。現監督が就任した約20年前は、今とは全く違う雰囲気だったという
幸運だったのは、そういった指導が選手たちの気質と相まって想像以上の効果を挙げたことだった。
「もともと勉強して、継続するというのは得意な子たちですからね。一度説明されれば自分たちでその理屈を考えて、ちゃんと効果が出るように運用できていた。結果的にフィジカル面もどうにか戦えるところまで持っていけるようになりました」
実際にこの日、取材で見た選手たちは下級生であってもしっかりしたフィジカルを備えているように見えた。チームに体づくりの重要性が浸透している証左なのだろう。
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そうした努力の甲斐もあって2018年、東大寺学園ハンドボール部は安井が赴任して初となるインターハイ出場を決めた。指導をはじめて12年目での悲願だった。
「嬉しかったのはこの結果を受けて、翌年は3年生が5人も部に残ってくれたんです。どうしても受験に力を入れている学校である以上、それまでなかなかなかったケースだっただけに感動しましたね」
結果的に翌2019年も連続でインターハイへと出場。連続して結果を出したことで県内においての“強豪チーム”という立場を確立する礎となった。
“超進学校”で「ガチンコで運動部をやる」意味は?
こうして県下の強豪となった東大寺学園ハンドボール部。だが、そうなるとシンプルな疑問も浮かんでくる。
同校は卒業生の大半が東大・京大や国公立の医学部に進むような全国屈指の進学校である。当然、彼らやその保護者のプライオリティは勉学が第一であることは想像に難くない。
となれば学業面からだけで見れば、運動部の活動にガチンコで打ち込むというのは、長い拘束時間や心身の負担も含め、デメリットすらあるとも言える。楽しさだけで続けられるほど、全国の舞台を目指す部活が甘くないのは誰の目にも明らかだろう。
それでもそんな学校であえて強豪の部活を選び、彼らがそこで戦う意義は何なのだろうか?
そんな疑問をぶつけると、安井からは「意外な答え」が返ってきた。
<次回へつづく>

