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「イジメとかは絶対に許さない」と言い続けた日大三高・前監督が突きつけられた時代の変化と“知識不足”「自分がちゃんと指導できていたら…」 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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posted2026/08/19 11:00

「イジメとかは絶対に許さない」と言い続けた日大三高・前監督が突きつけられた時代の変化と“知識不足”「自分がちゃんと指導できていたら…」<Number Web> photograph by Kei Nakamura

実家がある九十九里でインタビューに応じた小倉全由前監督

――保護者の方々は自分たちにも責任はあるんだ、と。

小倉 保護者会の幹部の方が、皆の前で言ってくれたらしいんです。「野球部に預けたからといって、学校側に全部問題があるわけではない。これは家庭の問題でもある」って。その言葉を聞いて、三木は楽になったそうです。日大三高は、ほんと、温かい親御さんたちに恵まれていると思うんです。それだけにこんなことになってしまって申し訳ないという思いが強いですよね。

おふくろの教え

――何かが起きたとき、保護者も指導者も互いに「こちらにも責任はある」と思える関係性を築いておくことは難しいんでしょうけど大事ですよね。

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小倉 自分は最初の保護者会で、必ずする話があったんです。自分は20歳のときに父親を交通事故で亡くしているんです。センターラインを越えて走ってきた若い運転手の車と正面衝突して。お通夜の日に、その親が線香を上げに来たもんだから、自分ら男の3人兄弟なんですけど、みんなで「せがれ呼んでこい!」って。自分も相当、乱暴なセリフを言っちゃったんです。そうしたら、おふくろが怒ってね。「線上げに来てくれた人になんてことを言うんだ。もし反対の立場だったら、私が線香を上げに行かなきゃならなかったんだよ」って。そう言われたら、自分も兄貴たちも何も言えなくなっちゃって。自分はそういう母親に育ててもらったことを誇りに思っていると話すんです。人を許す心を教えてもらったんだ、と。だから、先輩後輩で嫌なことがあったりしたときも、やられた方の保護者は一方的に相手を責めるんじゃなくて、少しでもいいから、うちの子どもにも悪いところがあったんじゃないかって考えてみませんか、って。「うちの子どもも悪かったんです」と言えれば、問題はそうそう起きないと思うんですよ。そうやって、みんなで一緒になって子どもたちを育てていきましょうよって言っていたんです。

日常生活からの見直し

――ただ、今回の事件は、その範疇を超えてしまった、という印象があります。

小倉 警察の方に「ネットのこういう問題はエスカレートすると、子どもを追い込んでしまう。だから、絶対にあっちゃいけないんです」と言われました。ネットがからむと、もう学校の生活指導だけで何とかできるものではなくなってしまう。事件に関わった部員は処分を受け、部としても3カ月間の対外試合禁止処分を受けました。ただ、被害に遭われた方が受けた苦痛を思えば、私たちの側が簡単に区切りをつけてよいことではないと思っています。三木からは、合宿所に教頭先生にも泊まってもらうなど、日常生活から見直していると聞いています。今回のことを深く反省し、二度と同じようなことを起こさないために何が必要なのか、我々も考え続けていかなければいけません。

続く

#2に続く
「今の時代では足りないと思い知らされた」日大三高・小倉全由前監督が徹底した部員数制限、体罰排除…それでも見えなかった“現代の死角”
この連載の一覧を見る(#1〜3)

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