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「イジメとかは絶対に許さない」と言い続けた日大三高・前監督が突きつけられた時代の変化と“知識不足”「自分がちゃんと指導できていたら…」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byKei Nakamura
posted2026/08/19 11:00
実家がある九十九里でインタビューに応じた小倉全由前監督
――「時代の変化」とは、具体的にどういうことですか。
小倉 携帯の使い方ですよね。高校生が携帯を持っていたら、どんなことをしたくなるのか、どんなことができるのかという想像力が足りていませんでした。言い訳がましく聞こえるかもしれませんが、自分のイメージの中にある性の問題とは次元が違いました。昔、よく言っていたんですよ。「お前らが部屋で隠れてエロ本を見てるのはわかってる。それはいいんだよ、男なんだから。でもな、学校に行くときにそれをベッドの上に出しっぱなしで行ったら俺は絶対に許さない」って。それは、集団生活のマナーじゃないですか。自分も、布団の下のエロ本を探し出してまで、叱りつけるようなことはしませんでした。でも、今回の事件は、もはやそういう時代ではないということを突きつけられた感じがします。子供たちを守るためには、こちら側が知識を持たないとダメなんですね。ただ「おまえらを信用しているからな」という言葉だけじゃ何の防御にもならない。
携帯電話は禁止していた
――ネット社会は、いとも簡単に犯罪に結びついてしまう気がしますよね。
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小倉 画面の向こうから無限に情報が流れ込んでくるわけですからね。しかも、それをボタンひとつで、世界中に拡散できる。あまりに手軽なものだから、子どもたちも実はそれが法律に触れる犯罪で人生がひっくり返るような大ごとになるかなんてわかっていない。もちろん、自分たちもその実態や怖さを把握できていなかった。
――日大三高の野球部は、携帯電話は禁止していなかったわけですね。
小倉 いや、禁止していたんですよ。だけど、学校が授業用に全員にタブレット端末を支給しているんです。夜、自室でそれを開けば、なんでもできちゃうわけです。そこまでの制限はしていなかった。そこは学校が悪いわけじゃなくて、こちら側のミスです。自分が監督のときも隠れて携帯を持ってるやつはいたんです。そのときにスマホの怖さについて自分がちゃんと指導できていたら、こんなことにはならなかったと思うんです。
「これは家庭の問題でもある」
――事件が発覚した後、保護者説明会が開かれ、小倉さんも頭を下げたと聞きました。
小倉 自分が悪かったと、保護者の前で謝罪しました。責められることは覚悟していました。でもね、会が終わったら、お母さんたちが「私たちが頭を下げなきゃいけないことでもあるんです」って涙を流しながら言ってくれてね。

