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「とにかく展開が早い」名将・小倉全由元監督が体感した「7イニング制」…“10対0で9回制支持”でも心が揺れる理由
posted2026/08/19 11:02
現役監督を退き、「7イニング制」導入の検討会議メンバーに名を連ねる日大三高・小倉全由前監督
text by

中村計Kei Nakamura
photograph by
Kei Nakamura
「3人の小倉」がいる
――今、高校球界は「7イニング制」を導入するか否かで揺れています。小倉さんは、その検討会議のメンバーになっているわけですよね。
小倉 一昨年、去年と、U18の日本代表監督として、7イニング制の野球を経験したからでしょうね。ただね、ある新聞を見たら、検討会議のメンバーとして僕の名前だけがドーンと載っていたんです。正直、勘弁してくれよ……って思いましたよ。あれだと世間から自分が7回制導入の急先鋒として、大賛成しているように見えてしまうじゃないですか。
――やはり7回制には反対ですか?
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小倉 自分の中には「3人の小倉」がいるんですよ。現役監督だったときの小倉、検討会議のメンバーとしての小倉、日本代表で7回制を経験した小倉。それぞれの立場によって、ちょっとずつ意見が違うというか。
――日本代表で実際に7回制を経験して、どうでしたか?
小倉 とにかく展開が早い。4回で負けていると、かなり焦ってきます。もう終盤の感覚。野球も変わってくるでしょうね。とにかく、いいバッターから順番に並べていかないと。あと、最近の強豪私学は、いいピッチャーを2枚、3枚と揃えている場合が多いじゃないですか。そういうところに2回、2回、3回ってピッチャーをつながれたりしたら、1安打とか2安打で、あっという間に0点で終わっちゃうんじゃないかな。
――3人の小倉のうち、現役監督だったときの小倉はどういう考えなのですか。
小倉 野球をやったことがない人たちからすると、「あの暑さの中、何で9回までやらなきゃいけないの?」って思うらしいんです。8回、9回にドラマがあるんだと言うと、7イニング制にしたら6回、7回のドラマはなくなってしまうんですか? と。確かにそうなんですけど……、でも、野球をやってる自分たちからしたら、野球はやっぱり9回なんですよ。大阪桐蔭の西谷(浩一)監督は「日本国憲法を変えるようなものだ」と言っていたじゃないですか。その気持ちはすごくわかるんです。

