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「今の時代では足りないと思い知らされた」日大三高・小倉全由前監督が徹底した部員数制限、体罰排除…それでも見えなかった“現代の死角”

posted2026/08/19 11:01

 
「今の時代では足りないと思い知らされた」日大三高・小倉全由前監督が徹底した部員数制限、体罰排除…それでも見えなかった“現代の死角”<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

日大三高野球部の監督時代の小倉全由氏

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Hideki Sugiyama

昨年、夏の甲子園準優勝を果たすも、今年2月、野球部員が女子生徒に不適切な動画を送らせたとして書類送検されるという不祥事に揺れた日大三高。対外試合禁止処分を受けたあと、今年はノーシードで西東京大会に臨んだものの、準決勝で敗退した。1997年から同部を率いた小倉全由氏は、3年前に監督を退き、事件に関わった生徒を直接は指導してはいないが、深い落胆と責任を感じているという。監督時代は体罰を徹底して排除し、選手の心身の安全にも細心の注意を払ってきたという小倉氏が、自身の指導方法を振り返る。(Number Webインタビュー全3回の2回目/第1回第3回も公開中)

目が届かなかった“死角”

――昨年夏の広陵高校もそうでしたけど、小倉さんは以前から「強豪校で不祥事が起こりがちなのは、部員が多過ぎて、指導者の目が届かないからだ」と指摘していました。

小倉 強豪私立となると100名を超えるところも珍しくないですからね。そこへいくと、日大三高は各学年20人くらい、3学年合わせても60人前後なんです。自分は1学年15人がベストだと思っているんです。ただ、どうしても毎年、入りたいという選手がいるものだから20人くらいにはなってしまっていたんですけど。それ以上多くなると、よっぽどしっかり管理体制を整えない限り、指導者の目が行き届かなくなる。学校経営の事情で部員をたくさん獲らなきゃいけないという高校もあって、簡単に部員数を制限できないという「大人の都合」もわかりますけど、選手を預かる責任の重さを考えたら組織の肥大化はやっぱりリスクだと思います。

 ただね、今回はその1学年20人という枠組みで運営していても、スマホの死角にまでは目が届かなかった。組織を小さくすれば万全かというと、今の時代はそれだけでも足りないのだと思い知らされました。

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――小倉さんは、2012年に起きた大阪・桜宮高校バスケットボール部での体罰自殺事件を機に、生徒に手を上げる指導を完全にやめられましたよね。

小倉 ハッとしたんです。あんなこと、絶対にあっちゃいけない、と。自分も若い頃は、手に負えない選手がいたら「俺は監督でも何でもねえ。一人の男としてお前とタイマン張ってやるから、かかってこい!」なんて、本気でやっていた人間なので。だけど、桜宮のニュースを聞いたとき、本当に怖くなったんです。指導者が「期待しているから」「こいつのためだから」と厳しく当たっても、受け取る側によっては死を選んでしまうことがある。よかれと思ってしたことが絶望を与えることになってしまい、最悪の結果になる。互いにとって、こんな不幸はないじゃないですか。

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