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「江川さん、キャッチボールしましょうか」孤独な江川卓に声をかけた西本聖…永遠のライバルの本当の関係性とは「誘いあってゴルフにも行った」 

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元永知宏

元永知宏Tomohiro Motonaga

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photograph byKazuhito Yamada

posted2026/08/01 11:01

「江川さん、キャッチボールしましょうか」孤独な江川卓に声をかけた西本聖…永遠のライバルの本当の関係性とは「誘いあってゴルフにも行った」<Number Web> photograph by Kazuhito Yamada

チームに合流した江川はまだ孤独な存在だった。彼をライバルと思い定めた西本だったが、そんな江川に声をかけて……

 球団内外からの厳しい視線にさらされながら、江川は10月までの5カ月間で9勝を挙げた。プロ5年目のシーズンを迎えた西本は、先発にリリーフに大車輪の働きを見せた。44試合に登板(先発は17)し、8勝4敗6セーブ。対する江川の1年目は、27試合の登板のうち、先発は23。ドラフト1位の江川とたたき上げの西本では起用法に違いがあった。

「首脳陣は江川さんについて『勝ち星が計算できるピッチャー』だと思っていたでしょうね。敗戦処理の投手から上がってきた僕の場合はそうじゃない。まだ、結果を出して認めてもらわなければいけない選手だった。立場がまったく違いましたから、使われ方がどうこうとはまったく思いませんでした」

江川合流以降、なぜかチーム成績が……

 だが江川がチームに合流して以降、なぜかチームの成績は下降していった。5月終了時点で首位だった順位は徐々に下がり、最終的に58勝62敗10分、勝率.483で5位に終わった。そのため、ルーキーながら9勝を挙げた江川に対して、メディアもファンも厳しかった。その年の防御率1位は平松政次(大洋ホエールズ、防御率2.39)、2位が西本(防御率2.76)、3位が江川(防御率2.80)だったにもかかわらず。

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「それだけ注目されていたということでもあるし、期待の裏返しでもあったでしょうね。もともと実力のある人だから大変です。まわりが勝手に持ち上げて、期待はずれだと言うわけだから」

 1979年の巨人投手陣の勝ち頭は15勝の新浦壽夫。9勝の江川、8勝の西本、7勝の加藤初、4勝の堀内恒夫が続いた。

「僕の気持ちは『投げろと言われたところで投げる』で、変わりはありません。だけど、ある程度、先発の仲間入りができているのかなという感じではいました」

 江川の投球を間近で見て、西本は何を感じたのか。

「球種の少ないピッチャーで、ストレートとカーブだけ。だけど、その使い方がうまかったですね。シーズンが進むにつれてスピードが上がっていったけど、僕が感じたのは強さやすごさよりも、うまさだった」

 バッターにファウルを打たせるストレートと、空振りさせるストレートがあった。カーブも同様に、試合展開と打順で使い分けていたという。

【次ページ】 江川と自分は違う。ならばどうするか

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