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W杯4カ月前に“全治4~6カ月”のMF遠藤航「自宅ラウンジにマッサージベッドが…」英国在住日本人記者が明かす足首ケガ→リバプール戦線復帰の舞台ウラ 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byJFA/AFLO

posted2026/05/23 17:03

W杯4カ月前に“全治4~6カ月”のMF遠藤航「自宅ラウンジにマッサージベッドが…」英国在住日本人記者が明かす足首ケガ→リバプール戦線復帰の舞台ウラ<Number Web> photograph by JFA/AFLO

2月に大ケガがありながらもW杯メンバーに選出された遠藤航。英国在住の日本人記者が知る4カ月間のプロセスとはどんなものだったか

「試合がないから、やっぱりメリハリがない」

 そんな“メリメリ”の毎日にも、週一のオフ以外は練習場に通うのだが、屋内での孤独なリハビリメニューをこなすだけ。脚の筋肉はさほど落ちていないとのことだったが、開始ひと月ほどは、自分の足で歩くことがターゲットという、地道に怪我と向き合う日々の繰り返しだったはずだ。

 もっとも、通常は過密日程が当たり前のイングランドで、遠藤はこのようにも言っていた。

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「自分は今、オフをもらっているようなもの」

 普通に歩く姿を間近で拝むことができたのは、4月1日。前日に日本がウェンブリー・スタジアムでイングランドから勝利を収める様子をスタンドから眺めたあと、家族とロンドン中心部はテムズ川沿いのホテルに泊まっていた遠藤を訪ねた時のことだ。「ちょっと痛いというか、違和感はある」と言っていたが、酸素療法を受けながら、エアロバイクをこいで心拍数を上げるようなメニューも加わり、5月後半の代表合宿には頭から合流できるように持っていきたいとする彼に、「もし遅れるとしたら、30日のCL決勝でクローザーとして貢献して、優勝メダルを引っ下げての合流だね」などと言いながら、美味しいモーニングコーヒーをいただいた。

遠藤邸のラウンジにはマッサージベッドが

 チームは、残念なことに8強で姿を消してしまうのだが、遠藤自身は順調に復帰への歩みを進めた。屋外でのランニングなど、リハビリもステップアップしていると聞いたのはCL敗退翌週。リバプールと同じ、イングランド北西部の遠藤邸に寄せてもらったのも、その頃だった。術後の“初蹴り”も許されたという。

 筆者自身が、骨折後に左足の甲の付け根付近に入っていたネジを取り除く手術を受けたのは、19年前。傷口も塞がり、散歩中にボールを蹴ってみると、やはり当たれば痛く、愛犬と遊ぶための小さな1号球だったのだが、すぐにやめた。遠藤はというと、まだ「ちょっと痛い」と言いつつも、当然ながら再びボールを扱えることが嬉しそうだ。

 無論、一般人の体とプロ選手の“商売道具”を比べてはいけない。見れば、遠藤邸のラウンジスペースには、場違いと思えるマッサージベッド。日本からパーソナルトレーナーを呼び寄せ、プライベートの空間でもできることをしっかりとやっているのだ。

プレミア最終節前の試合ではベンチ外だったが

 別れ際に、クラブでの今季中復帰の可能性を尋ねると、「最後の2試合ぐらいじゃないですか」との返答だった。

 その1つだった第37節アストンビラ戦は、まだベンチ外。4失点のリバプールは、攻撃重視の指揮官も「勝ち越されて崩壊した」と、守備の問題を認める敗戦。ホームでの最終節では、チーム練習に復帰している本職ボランチの名がメンバー表にも戻り、逃げ切る展開に持ち込めれば、ベンチを出て最後を締めないとも限らない。

 日本代表ボランチとしての遠藤は、アストンビラ戦の当日、一足先にW杯メンバーに名を連ねた。前日に「(発表を)楽しみしています」としていた本人は、今夏にチームの力になれるよう、やれるだけのことはやったという気持ちでいたに違いない。森保ジャパンにとっては、初の16強突破という現実目標と、優勝という大目標を掲げ、かつてない期待とプレッシャーを背負って臨むW杯。キャプテンマークを付ける「メンタリティー・モンスター」の存在は心強い。〈サッカー日本代表特集:つづきは下の【関連記事】へ〉

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