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W杯4カ月前に“全治4~6カ月”のMF遠藤航「自宅ラウンジにマッサージベッドが…」英国在住日本人記者が明かす足首ケガ→リバプール戦線復帰の舞台ウラ
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byJFA/AFLO
posted2026/05/23 17:03
2月に大ケガがありながらもW杯メンバーに選出された遠藤航。英国在住の日本人記者が知る4カ月間のプロセスとはどんなものだったか
スキャンでは、リスフラン(足根中足)関節に軽度の剥離骨折も認められたが、問題は足の甲のアーチ構造を維持する同関節(足の五指)を束ねる靭帯だった。
すぐ近くにあり、プレミアの他クラブや、他競技界の選手も手がける専門医のいるクリニックでレントゲン検査を受けると、靭帯の損傷によって五指の中央2本の間に隙間が生じており、その間隔は処置が勧められる2ミリを超えているとの診断が下った。
手術なしであれば、全治4~6カ月。
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手術をすれば、約4カ月後に控えていたW杯に間に合う保証があるわけではないが、その確率を少しでも高めたいとする遠藤の決意は、通訳など必要とせずに専門医の説明に頷き、自ら確認の質問をする表情からも窺い知れた。
人工靭帯の移植を選択…リバプールへの思いも
医師は、サンダーランド戦での怪我を映像で確認していた。痛みを堪えて立ち上がってCK守備に加わり、クリアまで試みようとしていた場面。リバプールのアルネ・スロット監督が、ミーティングで選手たちに見せたとされる、チーム第一の精神を示す象徴的なシーン。「普通の選手なら、立ち上がろうとさえしないはず」と驚いていた医師も、遠藤という“患者”が持つ意志の力を理解した上で、「もしも開幕戦には間に合わないようであれば、少なくとも2戦目にはというように最善を尽くしてやっていこう」と言っているのではないかと感じられた。
最終的に遠藤は、翌週に日本で手術を受ける。英国で説明を受けた金属プレートの挿入ではなく、人工靭帯の移植を選択した。前者の場合は、W杯後にプレートの除去手術を要する。だが後者であれば、契約最終年でもあるリバプールでの来季早々、除去手術で戦列を離れる必要もない。
「しっかり治してW杯に向けて良い準備をしていきます!」
こうメッセージをくれたのは、同じ2月最終週。術後に励まそうと思っていたこちらを、逆に安心させてくれた。すでに「リハビリもスタートしています」ともあったのだが、それは焦りではなく、本人曰く「計算ずくのスケジュール前倒し」。2週間ほどで日本から戻った後も、まだ松葉杖を必要としてはいても、リハビリはトントン拍子で進行していくと見受けられた。
自分は今、オフをもらっているようなもの
もちろん、遠藤自身には長く感じられる日々だったかもしれない。尋ねてみると、こう言っていた。

