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「全員にゴチ」焼肉決起集会を考案「西田有志の漢気にビビった…」仲間たちが語る“キャプテン西田”の主人公すぎる行動記録〈SVリーグ初優勝の舞台裏〉
posted2026/05/19 11:05
大阪ブルテオンのSVリーグ初優勝に貢献した主将・西田有志(26歳)。今季限りで引退する清水邦広へ「負けて引退させるわけにいかなかった」と目を赤く腫らした
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
AFLO SPORT
SVリーグ初制覇まで、あと1点――。
大阪ブルテオンのマッチポイント。やはり、というべきか。サーバーは西田有志。
ここ一番はサービスエースで締めくくるのではないか。そんな予感を抱いたのは、記者や観客だけではない。むしろコートに立つ選手も、アップゾーンの選手も、予感ではなく“確信”を抱いていた。前衛にいたミドルブロッカーのエバデダン・ラリーが、冗談交じりに回顧する。
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「もう絶対SP(サービスエース)だと思っていたので、僕はブロックの構えすらしなかった。ただ、ボールの軌道だけ見ていました」
レギュラーシーズンを制したサントリーサンバーズ大阪のレシーブの名手、高橋藍も反応できなかったサービスエース。周囲の期待に応えて25点目をもぎ取った西田は、優勝という結果を自ら掴み取った。
文句なしMVP獲得のウラ側
第3戦のパフォーマンスはまさに圧巻のひと言に尽きる内容だった。最後のポイントを含めた3本のサービスエースを叩き出し、サーブ効果率は驚異の33.3%。スパイク決定率でも70.6%という数字を残し、チャンピオンシップMVPにふさわしい文句なしの活躍だった。
しかし、長いシーズンを振り返れば苦難も少なくなかった。短期決戦のファイナルでも、今シーズンを象徴するような苦しいスタートを強いられた。
セットカウント1対3で敗れた第1戦のスパイク決定率は36.4%。ミスやブロックにかかる場面も多く、本来のパフォーマンスとは程遠い出来。試合後、選手たちは「まだ終わったわけではないから、諦めずに切り替えるだけ」と口を揃えたが、硬い表情から小さくない不安が漂う。
負けたら終わりの最終決戦を前に、今季からブルテオンを率いるトーマス・サムエルボ監督が動いた。2戦目に向けた全体ミーティングの席で、指揮官は西田を名指しして活を入れた。

