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「全員にゴチ」焼肉決起集会を考案「西田有志の漢気にビビった…」仲間たちが語る“キャプテン西田”の主人公すぎる行動記録〈SVリーグ初優勝の舞台裏〉 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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posted2026/05/19 11:05

「全員にゴチ」焼肉決起集会を考案「西田有志の漢気にビビった…」仲間たちが語る“キャプテン西田”の主人公すぎる行動記録〈SVリーグ初優勝の舞台裏〉<Number Web> photograph by AFLO SPORT

大阪ブルテオンのSVリーグ初優勝に貢献した主将・西田有志(26歳)。今季限りで引退する清水邦広へ「負けて引退させるわけにいかなかった」と目を赤く腫らした

「取り繕った西田はいらない。いつも通りの、本来の自分を出せ!」

 レギュラーシーズンを遡っても、全体ミーティングで監督が個人を名指しするのは初めてのこと。だがその効果はてきめんだった。2戦目も劣勢となったが、要所で西田がサービスエースやスパイクで得点を重ねる。プレーもさることながら表情から違った、と振り返るのはリベロの山本智大だ。

「普段は試合中に余裕ができるとミキ(ミゲル・ロペス)とじゃれ合う場面があったりするんですけど、監督に(ミーティングで)檄を飛ばされてからは、スイッチが入って顔つきも変わった。そうなると、スパイク1本、1点を獲った後のガッツポーズの出力量が全く違う。今日(2戦目)は最初から最後まで西田の気持ちが途切れなかった。頼れるキャプテンでした」

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 耳が痛くなるような言葉でも、真摯に受け入れられる西田だからこそ響いた。そう証言するのは、今季限りで現役を引退する清水邦広だ。

「自分の調子が悪くてベンチに下げられると、やっぱり悔しいんです。僕もそういう経験は何度もある。自分の代わりに出た選手を『頑張れ』と思うけれど、内心は悔しい。でも西田は、常にチームに目を向けているから代わって入った選手を応援する。アントワーヌ(・ブリザール/フランス代表セッター)も『海外の、どんなにすごいエースと呼ばれる選手でも、ああいう場面はふてくされるのに、西田は全くそんな顔を見せず、同じように喜ぶのは素晴らしい』と言っていたぐらい。アイツは裏表なく、周りのために行動できる選手です。そういう西田の姿をみんなが見ているから、うまくいかなくても絶対大丈夫だと信じているし、本当にやってくれる。だからみんなが、西田に託したくなるんですよ」

高校時代を知る中村駿介の証言

 今季の西田は日本代表の活動から離れ、身体づくりに向き合ってきた。チームでも主将に就任するなど、一人のアスリートとして新たな挑戦を厭わない姿をブルテオンの仲間たちは見てきた。

 高校時代からアンダーカテゴリー日本代表で共にプレーした1学年上のセッター、中村駿介は、昨夏のトレーニングを共にした。当時から変わらないパワフルな一面と、プロアスリートとしての今。その両方を知る中村は「(トレーニングは)興味本位でついていけるものではなかった」と感服する。

「決められた距離を時間内に走るラントレだけでも僕は精いっぱいなのに、西田は全部やり抜く。さらに終わった後に一人でブロックジャンプやレシーブ練習を始める。絶対に妥協しないから、サーブの感覚が悪いと感じればひたすらトスだけ、スイングだけ、と一つひとつ紐解いて、納得するまでやり続けるんです。その結果、今は『7割の力でも(サーブの球速が)110キロは行く』とか、サラっと言う。そういうことを聞くたび、こいつほんとにすごいな、って驚かされることばっかりでした」

 もう一つ、中村が「あの漢気にはビビった」と振り返るのがコートを離れた場所での出来事だ。西田は「チームの士気を高めるために」と決起集会を開いた。

【次ページ】 「僕だったら絶対払える額じゃない(笑)」

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