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「偏見、誤解…不本意この上ない」高田延彦vsバービック“大荒れリアルファイト”の内情…じつは地味だったUインターを変えた「格闘技戦」回帰
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堀江ガンツGantz Horie
photograph by東京スポーツ新聞社
posted2026/05/16 11:02
バービックにハイキックを見舞う髙田延彦
髙田延彦の対戦相手すら“無名の外国人レスラー”
そして、WOWOWから放映権料が入るリングス、メガネスーパーの後ろ盾がある藤原組に対して、大きなスポンサーを持たないUインターは旗揚げ準備も遅れた。
UWF3派分裂後、まずメガネスーパーをバックにつけた藤原組が、3月4日後楽園ホールでいち早く旗揚げ。それから遅れること2カ月、5月10日にUインターが後楽園ホールで旗揚げ、その翌日、5月11日には前田のリングスも横浜アリーナで旗揚げした。こうして3団体が出揃ったが、試合のインパクトでも当初、Uインターは他の2団体の後塵を拝していた。
エースの髙田は旗揚げ戦、そして翌月の第2戦はそれぞれ、トム・バートン、J・T・サザンという無名の初来日外国人レスラー相手に無難に完勝。ハッキリ言えばどちらも凡戦であり、新団体のメインイベントとしては期待はずれと言うしかなかった。
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また旗揚げ戦では、1対1のシビアな格闘プロレスを標榜していたはずのUWFで「ダブルバウト」と称したタッグマッチが組まれ、旗揚げ第2戦からは元シュートボクサーの大江慎による「スタンディングバウト」と称されたキックボクシングマッチも組まれるようになった。旗揚げ当時のUインターは、何をやりたいのかが見えてこず、UWFファンには迷走しているようにしか見えなかったのである。
「偏見、誤解…不本意この上ない」
そんなUインターが、年の瀬になってついに本領を発揮し始める。10月25日、赤坂東急ホテルで記者会見を開き、12・22両国国技館で『格闘技世界一決定戦』と銘打ったビッグマッチを開催。メインイベントで髙田延彦とプロボクシングの元WBC世界ヘビー級王者トレバー・バービックの“他流試合”を行うことを発表したのだ。
『格闘技世界一決定戦』という大会名でもわかるとおり、これはかつて全盛期のアントニオ猪木が、大物格闘家相手におこなっていた異種格闘技戦を90年代によみがえらせたもの。バービックは、モハメド・アリ最後の対戦相手であり、猪木vsアリのオマージュであることは明確だ。
記者会見で宮戸優光は、「異種格闘技戦」ではなく「他流試合」と呼び、大会名に『格闘技世界一決定戦』を冠した趣旨をこのように語っている。

