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「ボークでは?」周東佑京の衝撃ホームスチール“じつはパニック状態だった”現場…柳田悠岐も困惑「ボールカウントが消えた…」ソフトバンク監督らの証言
posted2026/05/11 17:03
「母の日」の5月10日、ホームスチール、タイムリーヒットで活躍した周東佑京。亡き母を思い出した
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
KYODO
ソフトバンクの周東佑京が“神足伝説”にまた新たな1ページを書き加えた。
5月10日のロッテ戦で単独ホームスチール(三塁からホームベースへの盗塁)成功という離れ業をやってのけたのだ。同日の「日刊スポーツ」の報道によればスクイズの空振りなどを除き単独でのホームスチールは、公式戦では1997年7月28日の広島戦の稲葉篤紀(ヤクルト)以来、29年ぶりだという。なお、2004年のオールスターゲームで新庄剛志(日本ハム)が成功させたのも有名である。
じつは前の打者から狙っていた…周東の証言
歴史的快挙だ。超満員のドームの盛り上がりは言うまでもなく相当なもので、大歓声とどよめきが交錯していた。そんな中、ソフトバンクのベンチ裏そしてネット裏の記者席は騒然としていた。じつはその舞台裏で「混乱」が生じていたのだ。
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まずは神走塁を振り返る。
ソフトバンク1点ビハインドの3回裏2アウト三塁。ランナーに周東、打席には柳田悠岐という場面だった。ロッテ内野陣は打者の引っ張り警戒で右寄りの守備シフトを敷き、それに合わせて三塁手の寺地隆成も三遊間付近にポジションを動かしていた。
周東はつぶさに身辺を観察していたという。
「じつは前のバッターのコンさん(近藤健介)の時から行けると思っていました。あとはベンチサイドからGOが出るか出ないか、だけでした」
コーチの承諾「行け!」
ロッテのマウンドは毛利海大。三塁走者に背を向ける左投手だったこともあり、周東は毛利が捕手のサインをのぞき込む前にはすでにアンツーカー(赤褐色の人工土)の部分をするすると抜け出して、不敵にも三本間の3分の1近くまで“リード”していた。さらにバッテリーでサイン交換をしている間にも1、2歩前進した。

