ボクシングPRESSBACK NUMBER

「もしイノウエにKOして勝てたなら、翌日に死んでもいい」敗者・中谷潤人トレーナーの“異変”…「日本メディアを警戒していた」取材記者が見た井上尚弥戦のウラ側

posted2026/05/09 11:03

 
「もしイノウエにKOして勝てたなら、翌日に死んでもいい」敗者・中谷潤人トレーナーの“異変”…「日本メディアを警戒していた」取材記者が見た井上尚弥戦のウラ側<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

12ラウンドの死闘となった井上尚弥vs中谷潤人。中谷陣営が語った“2つの誤算”とは?

text by

NumberWeb編集部

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web

PROFILE

photograph by

Naoki Fukuda

井上尚弥との激闘に敗れた中谷潤人。その戦術面を担当するのが63歳の名トレーナー、ルディ・エルナンデスである。来日したルディの取材を続け、見えた中谷陣営の“2つの誤算”とは?【全3回の1本目/第2回第3回も公開中】

◆◆◆

「あれ? ルディさんじゃないですか?」

 異例の始まりは、試合の約2週間前だった。4月19日、報道陣は羽田空港の到着ゲートで中谷潤人の帰国を待っていた。すると、その少し前に、黒のTシャツ、黒のハーフパンツ姿の男がスーツケースを引いて現れた。

ADVERTISEMENT

 ルディ・エルナンデスだった。中谷を10年以上指導してきた名トレーナーは、この日、別便で一足先に日本へ入っていた。その後、姿を見せた中谷に、報道陣からこんな質問が飛んだ。

「ルディさんが(試合前の)これほど早いタイミングで来日するのは、今までになかったことですよね?」

 中谷はうなずき、こう答えた。

「タイムリーに指導してもらえるので、より繊細なことに気づいて、アドバイスもしてくれると思いますし、そこらへんはすごく心強いですね」

 中谷陣営において、ルディは単なる付き添いではない。15歳から中谷を見てきた彼は、戦術面の設計者である。これは中谷陣営が、井上戦にどれほど細部まで神経を使っていたかを示す出来事だった。

「私は会見に出なくていいよ」

 だが、そこからが不思議だった。ルディは日本メディアの前でほとんど何も語らなかった。

「なぜ皆さんが私を記者会見に呼びたがるのか、正直よく分からない」

 4日後にM.Tジムで行われた、中谷の公開練習。ルディがこんなことを言う一幕があった。

【次ページ】 「私は会見に出なくていいよ」

1 2 3 NEXT
#中谷潤人
#井上尚弥
#ルディ・エルナンデス

ボクシングの前後の記事

ページトップ