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井上尚弥の“エグい右”を世界的カメラマンはとらえていた…中谷潤人が眼窩底骨折“あの右アッパー”の直前にあった決定的瞬間「“中谷の空気”が変わった」

posted2026/05/08 11:26

 
井上尚弥の“エグい右”を世界的カメラマンはとらえていた…中谷潤人が眼窩底骨折“あの右アッパー”の直前にあった決定的瞬間「“中谷の空気”が変わった」<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

試合終了のゴングと同時に、笑顔で抱擁をかわす両雄。井上尚弥と中谷潤人の歴史的一戦は、ファンにとって極上の体験だった

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福田直樹

福田直樹Naoki Fukuda

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Naoki Fukuda

スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥と、挑戦者・中谷潤人による「世紀の一戦」。5月2日に東京ドームで行われた日本ボクシング史上最大のイベントを心待ちにしていたのが、カメラマンの福田直樹氏だ。“パンチを予見する男”と称され、世界的にも高く評価される福田氏が、リングサイドから見つめた両者の攻防の凄まじさとは。カメラでとらえた決定的瞬間の写真とともに、珠玉の技術戦を振り返ってもらった。(全2回の2回目/前編へ)

◆◆◆

 8ラウンドから10ラウンドにかけて、中谷選手の右ストレートや打ち下ろし気味の左など、いいアングルのパンチが入るようになっていました。ですが、試合を通してポイント的にリードしていたのは井上選手です。ある種の“割り切り”で中谷選手に押し込まれながらも、勝負を決めるチャンスを窺っている雰囲気がありました。

 10ラウンド、残り1分のところで起きたバッティングで状況が一旦リセットされましたね。その後も中谷選手が攻めるのですが、終了間際、井上選手がワンツーからの左アッパーを入れて、すこし上向いた状態で10ラウンドが終わった。ここがひとつのポイントだったように思います。

あの右アッパーの前にあった“井上尚弥の決定打”

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 続く11ラウンド。井上選手は「このラウンドが勝負だ」と考えていたのでしょう。もちろん、中谷選手を眼窩底骨折に追い込んだ右アッパーは極めて重要なパンチだったのですが、個人的にはその前、ラウンド開始30秒ごろに決めた右のショートのダブルで、流れをグッと引き寄せた印象がありました。

 見た目は軽い感じで打っているのですが、二段ロケットのようなあのダブルの2発目は、この試合で一番というくらい中谷選手がのけぞったシーンでした。ルイス・ネリをKOした最後の右もそうでしたが、非常にコンパクトなモーションなのに、頭を跳ね上げるほどの威力がある。中谷選手に傾きかけていた空気が、あそこで変わった。個人的にはそう感じました。

 そして決定的なターニングポイントになったのが、11ラウンド残り1分20秒の、井上選手の右アッパーです。当たった瞬間に、中谷選手は目を開けない状態になった。眼球に当たったか、眼窩底骨折か……。リングサイドからも、「なにか重大なことが起きた」とすぐにわかりました。

【次ページ】 「偉大なふたりが、偉大な試合をした」極上の体験

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