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「そこがチャンスだった…」中谷潤人が敗戦4日後に明かした“本音”「フェイントが通用しなくなる…」序盤は作戦通りだった“井上尚弥の攻略プラン”
posted2026/05/08 17:00
試合直後の中谷潤人。その4日後、インタビューに応じた
text by

宮田有理子Yuriko Miyata
photograph by
Takuya Sugiyama
試合翌日、ホテルロビーで…
東京ドーム5万5000人の全神経を飲み込んだ緊迫の12ラウンズを終えて、リングの真ん中で二人は笑った。
絶対王者の表情には安堵の色が広がった。が、挑戦者からあふれ出る幸福感に目が吸い寄せられた人も、少なくなかったはずだ。
試合後のバックステージで、その理由を確かめたかったが、会見の時間は限られた。病院に直行しなければならないほどの痛手を負っていた。左眼窩底骨折だった。
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診断を受けて夜中2時ごろホテルに戻ったという中谷は、晴天の朝を迎えると、家族、チームに囲まれて、チェックアウトで混み合うホテルのロビーに降りてきた。そして、サインを求めるファンに応じた。彼ら、彼女らは一人ひとり、固唾を飲んで戦いを見守った当人なのだ。中谷は言った。
「多くの目が集中しているのを感じましたし、でもその中で、硬くならずに楽しんでできたことが、僕の宝物だな、と思うんです。お互いフェイントかけあって、どっちが先に出すかみたいな駆け引きとかを感じながら戦えた時間。すごく、うれしかったです」
傷だらけの顔に笑みが浮かんだ。その本音は――。後日、あらためて話を聞くことができた。
◆◆◆
静かな序盤…井上に「来させたかった」
――すこし休むことはできましたか? ケガの具合は? ※5月6日に取材
中谷 ゆっくりできています。顔の腫れもだいぶ引いてきました。とはいっても、(近日中に)手術しないといけないので。病院でまた診察を受けて、そこで日にちを決める予定です。
――それにしても、すごい試合でした。答え合わせしたい点がたくさんあります。まず、師匠ルディ・エルナンデスの指示で井上尚弥選手とは過去にスパーを一度もせず、今回が正真正銘の“ぶっつけ本番”でした。

