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井上尚弥には「つけ入るスキがあった」激闘から40分後…中谷潤人陣営がこぼした“意外なホンネ”「井上を神格化していなかった」敗者中谷の“本気度” 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2026/05/06 17:01

井上尚弥には「つけ入るスキがあった」激闘から40分後…中谷潤人陣営がこぼした“意外なホンネ”「井上を神格化していなかった」敗者中谷の“本気度”<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

井上尚弥との激闘の後、満身創痍の中で取材に応じた中谷潤人。そこでは陣営から意外な胸中も語られた

中谷陣営は井上を神格化していなかった

 5月2日、東京ドーム。中谷潤人は井上尚弥に3-0の判定で敗れた。

 ポイントの内訳は116-112、116-112、115-113。8ラウンドから10ラウンドにかけて中谷が攻め込み、井上にロープを背負わせる場面もあった。しかし11ラウンドには井上がポイントを奪い返し、右アッパーで中谷を眼窩底骨折に追い込んだ。健闘と解釈することもできる。だが、議論の余地のない判定負けと見ることもできる。

 はっきりしているのは、本人はもちろん、中谷陣営のだれひとりとして、この結果に満足している人間はいない、ということだ。

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 常に後景に退いているかのように控えめな村野会長が、「つけ入るスキがあった」と発言した。試合の約2時間後に話を聞いたルディは「もし再戦したとして、ジュントが勝てなかったら私は二度とボクシングのトレーナーはしない」とまで言った。それらは大言壮語や放言ではなかった。井上をリスペクトしながらも、過度に神格化しないメンタリティを中谷陣営は共有していた。

井上尚弥「楽しい試合でした」の理由は?

 彼らは本気で勝負にこだわった。“井上尚弥”は神様でも怪物でもなく、ただひとりの倒すべきボクサーだった。そんな気概で向かってくる挑戦者だったからこそ、井上も心からの歓びを感じることができたのではないか。

 過去の試合のように圧勝だったわけではない。それでも会見場に現れた井上は満足げだった。

「お互い、打って外して打って外して、という技術戦。お互いが楽しんでやっているなと。すごく楽しい試合でした」

 怪物でいることを求められ続けるボクサーが、ほんの一瞬、人間に戻っていた。

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