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井上尚弥・中谷潤人が導いた「後楽園から東京ドームへ」…U-15大会が世界王者への“登竜門”になったわけ「ボクシングが野球の世界に追いついた」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi(2)
posted2026/04/29 11:02
全国U-15ジュニアボクシング大会第1回に出場した井上尚弥(左)と、第4、5回に出場した中谷潤人(右)。彼らが東京ドームまで夢を大きく育てた
井上が2階級目となったスーパーフライ級で手にしたのがWBOのベルトであり、バンタム級、そしてスーパーバンタム級と2階級にわたって4団体統一を果たした。世界の強者と張り合ってきたことが“モンスター”の地位を高めていったことは言うまでもない。一方の中谷もフライ級、スーパーフライ級の2階級でWBOのベルトを巻き、“ビッグバン”への足掛かりとしている。井上も中谷も、本場ラスベガスなど海外で試合をすることも日常になった。4団体認可で生まれたのは「乱立」ではなく、むしろ「飛躍」であった。
キッズボクシングから東京ドームへ
中学時代に聖地・後楽園ホールを目指した2人が、ホールの隣にある東京ドームで拳を交える。この舞台を用意したのが、ほかならぬ大橋である。
「うれしいですよね。2人ともキッズのころからボクシングをやってきて、U-15で後楽園に出て、お互いに無敗で、そして東京ドームでぶつかるっていうストーリーがある。お互いにいいタイミングで戦うことに意味があると思うんです。
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ここをピークにボクシング人気がまた下火になってしまうんじゃないかっていう心配の声もあると聞きます。でも、心配しないでくださいって僕は言いたい。一つのドラマが終わったら新しいドラマが始まるだけですから」
どちらかが勝ち、どちらかが敗れる。強者同士のつぶし合いが次のドラマを生むというのは、シュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、マービン・ハグラー、ロベルト・デュランの「黄金の中量級」など世界のボクシング史が雄弁に物語っている。
そのネクストストーリーはクローズアップのみならず、ロングショットでも期待していい。
大橋ボクシングジムには、多くのキッズボクサー、ジュニアボクサーが通う。子供たちが一生懸命汗を流す姿に、目を細める大橋がいる。
目指せ! 後楽園。目指せ! ラスベガス。そして目指せ! 東京ドーム。
5・2東京ドームは、日本ボクシングの未来をつむぐ舞台でもある。
〈全3回の3回目/1回目から読む〉


