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井上尚弥と中谷潤人を生んだ奇跡のイベント「U-15ジュニアボクシング大会」とは? 大橋秀行が語る創設秘話「周囲は皆、無謀じゃないかと」
posted2026/04/29 11:00
5・2決戦に挑む井上尚弥(左)と中谷潤人(右)。実は2人には「全国U-15ジュニアボクシング大会」経験者という共通点がある
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Takuya Sugiyama(2)
井上尚弥vs.中谷潤人、5・2東京ドーム——。
プロボクシング興行が東京ドームで開催されたことは過去、3度ある。1988年、90年にヘビー級世界統一王者のマイク・タイソンが2度日本にやってきた。ジェームズ“バスター”ダグラスにKO負けした世紀の大番狂わせから34年後の2024年、日本人ボクサーとして初めてドームのメーンに立ったのがスーパーバンタム級世界4団体統一王者の井上である。初回、ルイス・ネリにダウンを喫しながらも、倍返し以上の3度のダウンを奪って6回TKO勝ちを収めた。
あれから2年、今回の東京ドーム興行が画期的と言っていいのは、初めての日本人ボクサー同士によるメーンイベントだということ。アジア人初となる2階級で4団体統一を果たした32戦全勝の井上に対し、中谷もまた32戦全勝で3階級制覇を達成している。『リング』誌のパウンド・フォー・パウンドランキングに入る者同士の激突という意味においても、世界が注目する一戦となる。
井上と中谷のある「共通項」
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2人はある共通項で結びつく。
全国U-15ジュニアボクシング大会出身者——。井上が中3時の第1回大会(2008年)、中谷が中2、中3時の第4、5回大会(2011、12年)をそれぞれの階級で制している。
当時は小学生、中学生のボクサーが出場できる全国規模の大会がなかった。2008年に聖地・後楽園ホールで開催した第1回大会が大きな反響を呼び、ジュニア世代が目指す場所となっていくのである。井上拓真、田中恒成、岩田翔吉、重岡銀次朗、松本流星ら多くの世界チャンピオンがここから生まれている。
この大会を創設したのが大橋ボクシングジム会長の元WBA、WBC世界ミニマム級王者、大橋秀行である。28歳で現役を引退してすぐ横浜にジムを開設し、2007年に42歳の若さで東日本ボクシング協会会長に就任した。


