ボクシングPRESSBACK NUMBER
井上尚弥・中谷潤人が導いた「後楽園から東京ドームへ」…U-15大会が世界王者への“登竜門”になったわけ「ボクシングが野球の世界に追いついた」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi(2)
posted2026/04/29 11:02
全国U-15ジュニアボクシング大会第1回に出場した井上尚弥(左)と、第4、5回に出場した中谷潤人(右)。彼らが東京ドームまで夢を大きく育てた
「尚弥は今のボクシングの象徴ですけど、キッズボクシングの象徴でもあります。U-15ジュニアボクシングの第1回大会に彼がいて、大スターとなる彼に子供たちが憧れていった。そのことはとても誇らしく感じます」
井上自身もジュニア世代のための「井上尚弥杯」を新設。昨年11月には大阪で第2回大会が開催され、ジュニア・チャンピオンズリーグの優勝者たちが集っている。大橋が道をつくり、その道を井上がさらに拡大しようとしている。
野球の世界にボクシングも追いついた
大橋は、こう声を弾ませる。
ADVERTISEMENT
「(子供のころから取り組む)野球の世界に、ようやくボクシングも追いついた。今のトップのボクサーたちを見ても、(対世界において)テクニックで圧倒している。昔では考えられなかったこと。こうやって強烈な日本人の世界チャンピオンが出ているわけですから。アマチュアに目を向けてもそうです。国際大会でメダルを獲ってくるのは当たり前になってきています」
種をまいて、花を咲かせる。
大橋が日本プロボクシング協会会長時代に手掛けた改革で今に結びついているものと言えば、2013年のWBO、IBF認可も外せない。当時、日本ではWBA、WBCしか認められておらず、世界王者が乱立する懸念も指摘されたため、挑戦資格の内規を定めて同意を取りつけた。
「最初は僕も反対でしたよ。でもボクシングをやっているキッズたちが不思議がるわけですよ。WOWOWのエキサイトマッチを見て、マニー・パッキャオがWBOのチャンピオンになっているのに『どうして日本はダメなの』って。僕も確かにそうだよなって。時代の流れはもう変わっている。だったら認める方向で動いたほうがいいだろう、と。メディアにもだいぶ反対されましたよ。『日本のボクシング界が終わる』なんて言われましたから」

