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井上尚弥・中谷潤人が導いた「後楽園から東京ドームへ」…U-15大会が世界王者への“登竜門”になったわけ「ボクシングが野球の世界に追いついた」
posted2026/04/29 11:02
全国U-15ジュニアボクシング大会第1回に出場した井上尚弥(左)と、第4、5回に出場した中谷潤人(右)。彼らが東京ドームまで夢を大きく育てた
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Hiroaki Finito Yamaguchi(2)
流れに乗れば、一気に変わっていくものである。
2008年8月、東京・後楽園ホールで開催された全国U-15ジュニアボクシング大会は大成功に終わった。以降、早すぎるストップに対するクレームもなくなっていき、指導においてもパンチをもらわないディフェンス技術の向上に対して明確に重点が置かれるようになった。
「目指せ! 後楽園」はジュニア世代のボクサーの合言葉となり、井上拓真、田中恒成、中谷潤人、岩田翔吉、重岡銀次朗、松本流星ら将来の世界チャンピオンの「登竜門」となっていく。
大橋会長の思惑以上の成果
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若年層の環境を整備し、競技人口を底上げしていくとともに必要な技術を習得させていく。当時東日本ボクシング協会の会長として全国U-15ジュニアボクシング大会の創設にこだわった大橋秀行が思い描いたとおりの、いやそれ以上の成果を得ることができた。2010年から日本プロボクシング協会会長も兼務し、大会をより充実させた。
アマとの交流も深まり、2012年、13年の第5、6回大会ではプロとアマのレフェリーが交互に試合を担当している。だがアマ側が全日本UJ(アンダー・ジュニア)ボクシング大会を立ち上げたことで、その後は別路線を歩むことになった。2017年にはアマの日本ボクシング連盟が全国U-15出場者はUJを含むアマチュアの大会に出場を認めないとすることを決めた。そのため17年の第10回大会をもって惜しまれながら終了。後継大会として「ジュニア・チャンピオンズリーグ全国大会」が新設され、現在も活況を呈している。
キッズ、ジュニア世代の強化にはプロのみならずアマも力を入れていくようになった。すべては井上尚弥から始まった。


