濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「自分以外はみんな敵だと…」うつ病を患った女子プロレスラーのその後…引退→復帰も経験した真白優希の思い「同じ病気の人たちにも試合を見てほしい」
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2026/04/25 11:00
うつ病と向き合いながらリングに上がる女子プロレスラー・真白優希
真白が迎えた“新たな転機”
フリーレスラーとしての活動は思っていた以上に自分に合っていた。ところが今度は、自由さよりも求めるものが出てきた。3月から、ZERO1の女子部門である新団体「Rose」の所属となったのだ。プレ旗揚げ戦を重ね、4月25日に正式旗揚げ興行を開催。真白はまた大きな転機を迎えることになった。
「フリーで1年ちょっとやってきて、辛いこともあったけど楽しかった。その中でZERO1にお世話になって、鍛えてもらいました。(入団は)その恩返しじゃないですけど。それに本格的にベルトを狙ったり、もっと活躍したいんです」
フリーランスは自由だが、どのリングでも“ゲスト”で終わってしまう可能性がある。いま以上に活躍するためには、団体という“拠点”が必要なのだ。
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Roseを率いるのはZERO1でもGMを務める工藤めぐみ。女子プロレス界のレジェンドの1人だ。所属は真白とデビューしたばかりの堀このみ、それに練習生。必然的に、真白はエースとしてメインイベントに出場することになる。プレ旗揚げ第1戦では1大会で2試合に出た。
「同じ病気の人たちにも試合を見てほしい」
責任は重い。相手は他団体、フリーの強豪ばかりでなかなか勝てない。それでも、プロレスに野心を持てることが嬉しい。
「今は薬は飲んでないです。たまに発作が出るので、その時だけ。病気とはうまく付き合っていくしかないですね。それに、こういう自分だから見せられるものもあると思うので」
これからどんなレスラーになりたいかと聞くと「みんなに愛されるレスラーに」と言う。
「同じ病気の人たちにも私の試合を見てほしいです。自分の試合で元気が出たり、笑顔になってもらえたら。私もプロレスを見たりやったりすることで救われたので」
かつて看護師になりたいという夢があったのは本当だ。プロレスラーになった今もやりたいことの根本は変わらないのかもしれない。それは人を助け、救うということ。自分も苦しんだから、余計にそう思うのだろう。


