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〈育成14位から這い上がった男〉ソフトバンク戦力外→西武移籍の仲田慶介…ユーティリティープレーヤーの原点と「忘れられない」小久保裕紀監督の言葉
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市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNumberWeb
posted2026/04/22 11:03
仲田慶介のプロ野球の道はソフトバンク育成14位指名から始まった
「練習量が多くなるのは当たり前」
サポートメンバーとして参加していた期間には、強化試合が行われた名古屋から大阪への移動の間、1日だけ空いた日に埼玉に直行した。普段と比べて少なくなった練習時間を確保するためベルーナドームと隣接する室内練習場で汗を流すためだった。
内外野の守備練習はもちろん、スイッチヒッターでもある仲田は、人の倍以上も練習に時間を費やす。ホークス時代からその練習量はチーム内随一と言われていたというが、「自分のプレースタイルを考えれば練習量が多くなるのは当たり前」と平然と語る。
「自分ではそんなに練習しているつもりはないんです。ただ、うまくなるためにやっているだけ。ただ自主トレ中などは内外野、左打席と右打席でやりたい練習を考えると、本当に、めちゃくちゃ時間がかかる(苦笑)。その中で、練習の配分をどうするか考えるのは難しいですね。
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特にスイッチヒッターなので、打撃練習が難しいです。例えばどちらかの打席で結果が出ずに試行錯誤していて、その打席の練習量が増えると、今度は良かったほうの打席も結果が出せなくなる。だから、どちらも疎かにできません。練習しないと、良かった感覚がずれてしまう。結果、『どちらも同じぐらい練習しないといけない』という思いになるんです」
スイッチヒッターは「生き残る道」
スイッチヒッターにこだわるのは、それが「自分の生き残る道」だと確信しているからだ。
「どちらでもヒットが打てれば、起用の幅が広がります。例えば守備や代走で出場したあとに打席が回ってきたときに、左ピッチャーだったら首脳陣が『右バッターを使おうか』と考えるかもしれませんから」
今シーズンは4月5日現在、3試合の出場で打席に立つ機会はないが、チャンスが来たときのための準備は怠らない。
「練習をするための体力には子供のころから自信があります。ただ、やりすぎてケガをするのは怖いので、技術の練習にプラスして、ケガをしづらくなるトレーニングも同時に行っています。今はそのバランスを考えるのが難しいですね。ちょうどいいところを探っている最中です。大谷さん(翔平・ドジャース)が『休むことも練習』と会見でおっしゃっていましたけど、ちょっとは休むことも覚えていかないといけないと今は思っています」

