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石川祐希、西田有志、高橋藍より早い…高校3年生が男子バレー日本代表“異例”の初選出「あの子は面白い」亡き名将も認めた逸材・一ノ瀬漣(17歳)とは何者か? 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byHiroyuki Nakamura

posted2026/04/19 11:01

石川祐希、西田有志、高橋藍より早い…高校3年生が男子バレー日本代表“異例”の初選出「あの子は面白い」亡き名将も認めた逸材・一ノ瀬漣(17歳)とは何者か?<Number Web> photograph by Hiroyuki Nakamura

バレーボール男子日本代表の登録メンバーに選出された一ノ瀬漣(17歳)。新年度は鎮西高校のキャプテンを務める

 鎮西高は宮浦健人や水町泰杜といった「大エース」を輩出してきた。苦しい場面でこそトスを呼び、決め切るエースたちの姿に一ノ瀬自身も憧れた。

 春高で敗れた後、「先輩たちを勝たせることができなくて申し訳ない」と自身の悔しさよりも先に、周りのために涙を流した。輝きを放つプレーや才能だけでなく、チームを背負って戦うエースとして、責任と覚悟を持っていることを証明する涙だった。2025年11月に80歳で急逝した畑野監督も、きっとそんな先人たちの姿と一ノ瀬を重ねていたはずだ。

石川祐希、高橋藍、大塚達宣

 日本代表のアウトサイドヒッターには主将の石川祐希や高橋藍、イタリアで着実に経験を重ねる大塚達宣、SVリーグで活躍する富田将馬や甲斐優斗といった錚々たる面々が揃う。17歳の一ノ瀬がいきなりトップチームに抜擢され、ネーションズリーグやロサンゼルス五輪をかけたアジア選手権で主軸を担うかと言われれば、それは残念ながらまだ現実的ではない。

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 だが、プロのレベルでも堂々と渡り合えることをすでに証明している。2025年12月に九州ブロック代表として出場した天皇杯で披露した一ノ瀬の活躍は圧巻だった。

 高さや経験で勝る相手に対しても、空いた場所を突くスパイクやブロックの上を抜く豪快な一打を何本も決め、Vリーグのヴィアティン三重を破る快挙に大きく貢献。視察に訪れていた日本代表のロラン・ティリ監督を何度も「アメイジング」と驚かせ、「彼は本当に17歳か?」と唸らせた。

 その後の3回戦では今季SVリーグの日本製鉄堺ブレイザーズに敗れたものの、外国籍選手を含むほぼベストの布陣で臨んだ相手に対しても一ノ瀬は真っ向勝負を挑み、試合後は「楽しかった」と清々しい表情を浮かべた。

「いつかは自分も海外リーグでプレーしたり、世界トップの人たちが集まる場所でプレーしてみたいです」

 才能と向上心、希望に溢れた一ノ瀬が、日本代表を経験してどんな変化を遂げていくのか。あの日に見た、練習試合のように――何度止められても、最後は自分の力で越えていく。未来の姿に、期待を抱かないわけがない。

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