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「日本代表は臆病ではなかった」「サノは卓越。MOMだ」イングランド撃破を生観戦…トルシエ元監督が絶賛「戦術で支配、凌駕した」理由を分析
posted2026/04/19 17:00
イングランドvs日本、ウェンブリー現地観戦に訪れたトルシエ。絶賛したMF佐野海舟とは試合後に“自撮り2ショット”
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Philippe Troussier
日本がイングランド相手に、ウェンブリースタジアムで歴史的勝利をあげた試合を、日本協会から招待を受けたフィリップ・トルシエは現地で観戦した。ブラジル戦(2025年10月14日、日本3−2ブラジル)に続く快挙を、日本のサッカーファミリーとともに分かち合ったトルシエだが、試合翌日に電話で話を聞いたときには、その声は冷静さを取り戻していた。
トルシエは日本の勝利を、「知性」による勝利だったという。フィジカルやアスレチックな力で上回るイングランドを、日本は知性で凌駕したと。では、その知性とは、具体的には何であるのか。スコットランド戦に続き、トルシエが語った。3回に分けてお伝えするインタビューの、まずは第1回から。
ザックにもアルディレスにもモリヤスにも会った
――試合後は興奮の坩堝だったのでしょうか。
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「何から語ればいいか……。スタジアムでアルベルト・ザッケローニに会った。それからオズワルド・アルディレスもだ。試合後には下に降りて選手たちや森保一監督とも再会した。日本の試合を見るたびに幸運に恵まれる。前々回はブラジル相手に勝利し、今度はウェンブリーでイングランドに勝った」
――日本にとっては歴史的な瞬間でした。
「たしかにそう言える。ドイツ、スペイン、ブラジルに続きイングランドまで破ったのだから」
――ちょっと驚きだったのはアウェーの、しかもウェンブリーというサッカーの聖地での出来事でした。
「その通りなのだが、私が感じたのはサッカーの試合においては知性が存在することだった。プレーにおける知性だ。戦い(デュエル)や強度、力強さなどがよく語られがちだが、その点でいえば日本とイングランドの間には力強さで大きな違いがあった。日本はフィジカル面でイングランドに太刀打ちはできなかった。運動能力面においてもだ」
フィジカルの劣勢を知性で
――それは難しかったです。

