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「ミトマにイトウ…ベンチは罰ではない」元日本代表監督が驚く英国遠征の森保流マネジメント「スズキの個人能力は興味深い」トルシエの視点 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byPhilippe Troussier

posted2026/04/18 17:00

「ミトマにイトウ…ベンチは罰ではない」元日本代表監督が驚く英国遠征の森保流マネジメント「スズキの個人能力は興味深い」トルシエの視点<Number Web> photograph by Philippe Troussier

イングランドvs日本をウェンブリーで観戦したトルシエと、写真撮影に応じたGK鈴木彩艶。元日本代表監督は充実の英国遠征をどのように見たか

「あの試合も実験段階(ラボラトリー)のものだった。前半は選手の見極めのために使われた。森保はカッコつきのサブのメンバーにプレーの時間を与えた。彼らは代表で常にプレーしてはいない。彼らに時間を与えることで、森保はグループのさらなる強化を目論んだ。それはW杯を戦うグループの最終形を見出すことだった。

 チームには試合をスタートする選手とフィニッシュする選手、プレーの機会が実質的にない選手がいる。W杯を戦う26人はそうして構成されている。本大会を2カ月後に控えて、森保の頭の中ではすでにグループができている。ただし、そこからいろいろ決めるためにディテールを突き詰める必要がある。昨日の前半は、彼が実際に見て確認する必要のある選手たちを起用した」

前半の選手は理念に忠実だった…ただ予測可能でもあった

――たしかにテストの意味合いが強い選手起用でした。

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「前半の日本はコレクティブで規律にあふれ、森保の理念をピッチ上で忠実に実現していた。プレーは流れるようでスピードも申し分なく、日本のDNAを存分に感じることができた。ただ同時に予測可能なプレーでもあった」

――その通りでした。

「とはいえ予測ができることはハンディキャップではない。それは選手たちが、何をすべきかをよくわかっているからでもあるからだ。日本は素早く正確にプレーした。組織的で自信にも溢れていた。選手はそれぞれの役割をまっとうし、責任感も強く抱いていた。

 そして組織の内側では、プレーの多様性と様々なオプションがあった。左右どちらに展開するのか、前進するのかキープするのかを、キッチリとコントロールした。チームのダイナミズムはボールのコントロールにあった。だからプレーは主に横方向で、縦の深さ、裏への狙いを欠いていた」

イトウ、ドウアン、ミトマ…アグレッシブさが加わった

――相手を崩すことはできませんでした。

「縦方向のプレーは不十分で、ボールを支配してコントロールしてはいたが、選手はコレクティブにボールを動かすことにのみ専心していた。個人のプレー、インパクトという点では見るべきものがなかった。ただひとり、鈴木唯人だけが突破への意欲を見せていた。しかし鈴木以外は組織的なプレーに徹して、与えたインパクトもコレクティブなものだけだった。それが前半の私の印象だ。

【次ページ】 ベンチに座らせたのは罰ではない

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