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深夜の食堂で「バットを横に猛勉強」!? 異色の留学生選手が「野球名門校から東大合格」の衝撃「甲子園を逃した」悔しさ糧に…“究極の文武両道”秘話 

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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posted2026/04/18 11:00

深夜の食堂で「バットを横に猛勉強」!? 異色の留学生選手が「野球名門校から東大合格」の衝撃「甲子園を逃した」悔しさ糧に…“究極の文武両道”秘話<Number Web> photograph by Yu Takagi

この春、東大に合格した台湾からの留学生・李玟勳。茨城の名門・明秀日立では4番を打つこともあったという

 また、その原動力には高校時代の感謝や甲子園へ行けなかった悔しさもあったという。

「高校3年間は野球はもちろん、恵まれた環境にいて、それを当たり前のように感じていました。でも、浪人中は1人で戦う孤独感を味わったので、みんなに支えてもらう大切さを感じ、ここまで支えてくれた人への感謝を持って戦うことができました。

 浪人期間中に何度も、2024年7月14日の光景が浮かんできました。茨城大会で負けて、甲子園への夢が破れた日です。その悔しさが自分を後押ししてくれました。甲子園には行けなかったけど、目指した日々は自分を支えるものでした。また、後輩たちが甲子園に出場し、苦労も知っていたので、自分が一番苦しかった夏でしたが“苦難の先には何かが待っている”と信じられるようになりました」

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 こうして夏以降、急激に力をつけた李は見事に最難関大学の試験を突破した。

 合格の瞬間には涙がとめどなく溢れ、両親や金沢監督ら恩師への報告の電話では「泣きすぎていて合格か不合格かわからなかった」と口を揃えられるほどの大号泣だったという。

単なる「文武両道」以上の意味を持つ李の合格

 実は今回の合格には「野球強豪校の中軸を担った選手が東大に入った」というだけではない大きな価値がある。

 李の偉業には、母国に根付くこれまでの「偏見」や「常識」を覆す可能性も秘められているのだ。

<次回へつづく>

#2に続く
「野球か勉強か」の二者択一は壊せるか? “異色の留学生選手”が東大合格で母国に投じた一石…「野球をしても勉学に支障はないことを証明したい」

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