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令和の野球探訪BACK NUMBER
深夜の食堂で「バットを横に猛勉強」!? 異色の留学生選手が「野球名門校から東大合格」の衝撃「甲子園を逃した」悔しさ糧に…“究極の文武両道”秘話
text by

高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2026/04/18 11:00
この春、東大に合格した台湾からの留学生・李玟勳。茨城の名門・明秀日立では4番を打つこともあったという
進学先は茨城県北部にある明秀学園日立高校。これまで甲子園に4回出場を果たしている。
そこでは猛練習にも必死で食らいついた。
「びっくりしたことは、やはり練習量ですね。台湾の友達は“1日200本振ったら多いほう”と言うのですが、ここで一番振った時は1日2500本です。最近でも1500本は振っています。素振りだけの数です。台湾の友達は“信じられない”と言いますね(笑)」
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光星学院高(現八戸学院光星)時代に指導した坂本勇人(巨人)をはじめ、明秀日立でも細川成也(中日)ら数々の強打者を育成してきた金沢成奉監督のもとで技術を磨くと、最上級生になる頃には、クリーンアップを任されるまでになった。その一方で「東大野球部に入った台湾人選手はいないと思うので、開拓者になりたいです」と、当初の夢も忘れることなく猛勉強も並行した。
監督も驚いた「深夜の食堂での出来事」
ある日の夜のこと。時刻はすでに24時を過ぎていた。食堂の灯りが点いたままになっていた。
「誰や。まったく。電気も消さんと出て行きよって……」
坂本らヤンチャな生徒の指導にも慣れた金沢監督は、眉間に皺を寄せて食堂へ向かった。だが、着くなり表情は緩んだ。
目の前には金属バットを脇に置いて勉強に励む李の姿があったからだ。金沢監督も思わず「勉強するのにバットは要らんやろ」と突っ込んだが、李は「たまにウーってなった時にバット振るんです」と笑って答えたという。
また、ある日の遠征の帰り道では、金沢監督が運転するバスで後ろの座席にふと目をやると、皆が爆睡する中で参考書を読み込む李の姿があった。

