ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
那須川天心27歳の“異変”「口数が減って…今までなかった」じつはあった“キック出身ゆえの欠点”どう克服した? エストラーダの肋骨を折った完勝ウラ側
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/04/13 17:00
再起戦で強敵エストラーダを撃破した那須川天心(27歳)。ここまでの苦しみを物語るように、試合直後には感極まる場面もあった
「迷いがなくなった」那須川天心の第2章
もちろんこの半年間の練習だけが今回の試合に結び付いたわけではない。那須川がキックからボクシングに転向して3年。この間に繰り返してきたさまざまな試行錯誤、ボクシングに適応するために重ねてきた練習が、ようやくエストラーダ戦で実ったということだ。大きな一戦を乗り越え、那須川の自信は揺るぎないものとなった。
「今までは『たぶん大丈夫だよな』みたいな感じだったけど、今回は心の底から大丈夫だと思えたのが一番大きい。遠い距離でも近い距離でもできる。自分の中で迷いがなくなったことが自信につながった」
WBCバンタム級は5月2日、東京ドームで王者の拓真が挑戦者に井岡一翔(志成)を迎えて防衛戦を行う。リベンジに燃える那須川は「拓真選手に勝ってほしい」と正直に語ったが、日本人初の5階級制覇を狙う井岡が勝利する可能性もあり、次戦の相手は5月2日の結果次第ということになる。また、本田会長は「やらなくちゃいけない相手がもう一人いる」と、5月2日に再起戦を迎える前WBO王者の武居由樹(大橋)にも言及した。
ADVERTISEMENT
無限の可能性が眼前に広がり、那須川もこれからが本番だと強調した。
「手ごたえ? ありますよ。見ているみんなが今回の試合で分かったと思う。この試合に勝って満足はまったくしてないから、ほんとに『ここからだぞ、なめんじゃねえぞ』っていう気持ちはずっとあります。内なる炎を燃やしていきたいと思いますね」
格闘技人生初の敗北から這い上がった那須川のボクシング人生第2章が始まった。

