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「笑顔が消えた」23歳山地梨菜を救ったベテランの言葉「マミさんの日誌が心に響いた」SVリーグ女子・埼玉上尾“激闘CS争い”の舞台裏
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岩本勝暁Katsuaki Iwamoto
photograph bySV.LEAGUE
posted2026/04/09 17:01
最終節までもつれたSVリーグ女子のチャンピオンシップ進出争い。山地梨菜(手前)ら若手とベテランが奮起した埼玉上尾は8位に滑り込んだ
「プレーするたびに、『今のはこうすればよかった』とか『もっとこうすれば決まっていたのに』とマイナスな考えになってしまうんです。でも、マミさんがチームの日誌に『落ち込む時間がもったいない』と書いていて、それが心に響いて自分も切り替えを早くしていこうと思うようになりました」
感情が溢れることも多い。2月22日のAstemo戦は負けて泣き、3月22日のクインシーズ刈谷戦は勝って泣いた。
「負けたときはやっぱり悔しいし、それで泣いちゃいました。Astemo戦はいつもと違うメンバーで入ったので緊張もありました。出られなかったメンバーの分もしっかり決め切りたいというか、そういう責任もあった。勝って泣いているときは自分の不甲斐なさです。悔しくてもみんながサポートしてくれるから、それで安心して泣いちゃいました」
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岡山との最終戦のあと、少し話を聞いた。試合に勝てなかった悔しさと、チャンピオンシップ進出を決めた安堵感。様々な感情が入り混じった表情に、流した涙の余韻が残っていた。
シーズンを通して成長したと感じるところはどこだろうか。
「試合に慣れてきて、最初の頃よりは緊張しなくなりました。あとはスパイクの打ち方、ハイスイングで打ったり、コースの打ち分け、相手のブロックの手先を狙って当て出しをするとか、そういうのもありますし、最初の頃よりはディフェンスの面でチームに貢献できるようになったと思います」
レギュラーシーズン王者・NEC川崎と対戦
クォーターファイナルはレギュラーシーズン優勝のNEC川崎と対戦する。今シーズン、一度は勝った相手だ。もちろん、慢心など微塵もない。
「オフェンスもディフェンスも、全てが強いチーム。押しに負けないように、こっちも攻めの姿勢でやっていきたい」
最後にもう一度、44試合の長丁場を経て、どこに自身の変化を感じたのかを聞いた。
一呼吸置いて――。
「今までは、一人でやらなきゃと思いながらバレーボールをしてきました。でも今は、もっとみんなに頼っていいよというふうに思います」
たくさんの仲間に背中を押されて、ここまで辿り着いた。真っ直ぐに見据えた眼差しは、苦しんだ分だけ強くなった証。さあ、集大成のチャンピオンシップだ。最高の舞台で、一年間の成果を証明する。

