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「笑顔が消えた」23歳山地梨菜を救ったベテランの言葉「マミさんの日誌が心に響いた」SVリーグ女子・埼玉上尾“激闘CS争い”の舞台裏
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岩本勝暁Katsuaki Iwamoto
photograph bySV.LEAGUE
posted2026/04/09 17:01
最終節までもつれたSVリーグ女子のチャンピオンシップ進出争い。山地梨菜(手前)ら若手とベテランが奮起した埼玉上尾は8位に滑り込んだ
感情の起伏が激しいシーズンだった。開幕節はPFUブルーキャッツ石川かほくに連勝。土曜日のGAME1はセッターの岩崎こよみを中心に、内瀬戸や黒後愛ら豊富なキャリアを持つメンバーで挑んだ。1年ぶりに復帰したミドルブロッカーの入澤まいは、アタック決定率58.8%をマーク。3本のブロックを決めるなど、フルセットの勝利に貢献した。
日曜日のGAME2は、セッターの鎌田咲希を中心に濱松明日香や目黒安希ら中堅メンバーが躍動した。連帯感が強く、勢いに乗ったらどこが相手でも手がつけられない。実際、11月30日の第8節GAME2は、首位を独走していたNECレッドロケッツ川崎にフルセットで勝っている。
土日でメンバーを入れ替えるターンオーバーは、埼玉上尾の代名詞として定着した。しかし、年が明けて1月24日のヴィクトリーナ姫路戦から6連敗。2月21日のAstemoリヴァーレ茨城戦で連敗は止めたものの、翌日のGAME2から3連敗。第17節を終えた時点で9位に順位を落とし、チャンピオンシップの進出に黄色信号が点った。
ベテランの踏ん張りで接戦を制す
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チームを救ったのはベテランの存在だ。2シーズンぶりに復帰した内瀬戸は、前半戦こそアタック決定率が20%台と精彩を欠く試合もあったが、リーグ戦が進むにつれて尻上がりに調子を上げていた。チーム最年長で36歳の岩崎は精度の高いトスと声でチームを鼓舞。岩崎と同期の井上奈々朱は2月28日の大阪マーヴェラス戦からコンスタントにコートに立つと、スピードのある攻撃とブロックでチームに貢献した。
ベテランの活躍は、チームが掲げる“一丸”のスローガンに呼応した。キャプテンの内瀬戸が明かす。
「私が悪いときはみんなに助けてもらうことが多いんです。今シーズンはいいときも悪いときも、『どうしたらみんながもうちょっと楽になるかな』と考えながらやっていました。ここ最近のプレーがよかったのも、私のサーブレシーブが崩れたときはミイク(岩澤実育)がカバーしてくれたり、私の調子がいいときにトスを上げてくれたり、そういうお互いの助け合いがすごく感じ取れています。お互いが信頼し合ってできているのかなと思います」
今シーズンの埼玉上尾は、フルセットに持ち込んだ17試合で12勝5敗(勝率70%)と抜群の強さを発揮した。特に年明け以降は8勝1敗と驚異的な勝率を誇る。全体の勝率が23勝21敗の52%であることを踏まえると、接戦をものにする助け合いの精神こそが埼玉上尾の強みの一つだった。


