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「笑顔が消えた」23歳山地梨菜を救ったベテランの言葉「マミさんの日誌が心に響いた」SVリーグ女子・埼玉上尾“激闘CS争い”の舞台裏
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岩本勝暁Katsuaki Iwamoto
photograph bySV.LEAGUE
posted2026/04/09 17:01
最終節までもつれたSVリーグ女子のチャンピオンシップ進出争い。山地梨菜(手前)ら若手とベテランが奮起した埼玉上尾は8位に滑り込んだ
若手の成長も、チームの追い風になった。アウトサイドヒッターの山地梨菜だ。香川県出身の23歳。県立志度高校から環太平洋大学に進学すると、180cmの長身と長い手足を生かしたスパイクを武器に頭角を現した。最高到達点は305cm。大学2年時の2022年には、西日本学生選抜の一員としてV・サマーリーグに出場。翌2023年1月、埼玉上尾の選手として登録されている。SVリーグのデビューは2025年3月のアランマーレ山形戦。同年7月のFISU ワールドユニバーシティゲームズに日本代表の一員として出場し、銀メダル獲得に貢献した。
課題だったディフェンスは、内瀬戸から学んだ。意識しているのは、ノータッチで決められる回数を減らし、どんなボールでも触りにいくこと。
「マミさん(内瀬戸真実)からは『ボールが上がらなくてもいいから、タッチ数を増やす』ことを教わりました。体に当てる回数を増やして、とにかく上げようと。上に上げておけば、周りの人がカバーしてくれる。そういう意味では、タッチ数が増えたのかなって自分の中で思っています」
山地の“笑顔”が消えた
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天真爛漫。コロコロとよく笑う。しかし、試合が始まれば愛くるしい笑顔から一転、鋭い眼差しをボールに向ける。
寝ている時間が至福のとき。髪色を変えたりネイルを楽しんでリフレッシュする選手も多いが、「自分はあまり挑戦できないタイプ」と関心を示さない。3月のホームゲームは髪をまとめてお団子にしていたが、それも「普通に邪魔だった」だけ。
「寝ることが好きなので、しっかり寝て気持ちを切り替えています」
物おじしない性格も、プラスの要素だ。全ての試合で力の限りを尽くしてきた。止められても、止められても、長い手足をしならせて相手コートの奥に強烈なスパイクを突き刺した。
しかし、リーグ戦も終盤に差しかかり、次第にトレードマークの笑顔が消えていく。強張った表情から、緊張が手に取るように伝わってきた。
「試合に挑む気持ちづくりは、はじめの頃よりもできるようになったと思います。でも、やっぱりシーズンを通してプレーするのが初めてで、後半になるにつれて順位も決まってくる中、気持ち的にダメージを受ける試合もありました」
どうやって乗り越えたのか。山地が続ける。


