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「何か悪いことしたのかな」イタリア11季目で出場機会減…それでも石川祐希(30歳)が前を向く理由「いい意味で変わるきっかけになる」《特別インタビュー》
posted2026/04/03 17:00
イタリアでのプレーが11シーズン目を迎えた石川祐希(30歳)
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Takahisa Hirano
発売中のNumber1140号に掲載の[30歳の真価]石川祐希「2つの人格を携えて」より内容を一部抜粋してお届けします。
敗戦の瞬間も、淡々と
2026年2月7日、その日の石川祐希はいつもの様子とは違っていた。
冬季五輪で沸き立つミラノから約200km離れたボローニャで開催された、コッパイタリア準決勝。負ければ終わりのトーナメント形式で行われる国内カップ戦で、石川が所属するペルージャはヴェローナにストレート負けを喫した。
相手の勢いに押され続ける展開の中でのタイムアウト。いつもなら、輪の中心にいて、渡欧11年目の成果とも言うべき流暢なイタリア語で周囲とコミュニケーションを取る石川だが、あえて輪から少し離れたところに立っていた。指揮官の発する言葉に耳を傾けることもせず、淡々とただその場にいるのみだった。
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敗戦の瞬間も、石川は冷静に現実を受け入れていた。
「エネルギーがなかったわけではないけれど、いつものスタイルで戦ってもうまくいかず、何か変えてもよかったけれど変わらなかった。そのまま終わりまで行ってしまった、というのが外から見た印象でした」
今季の目標は世界クラブ選手権、コッパイタリア、スーパーコッパ、チャンピオンズリーグに加え“スクデット”と称されるセリエAの優勝を含めた5冠の達成だった。その目標は、昨年末にブラジルで開催された世界クラブ選手権を制して臨んだ2冠目にして早くも儚く潰えることになった。しかも石川は、出場すら叶わずに。
欠場の理由
ペルージャではもちろん、イタリア国内でも数々の戦績を誇る石川は、なぜビッグタイトルがかかった試合で欠場したのか。理由は二つある。
一つ目はその前節、2月1日のパドヴァ戦の試合序盤に右膝を負傷していたこと。
「(ケガの瞬間は)レセプション(サーブレシーブ)の時に右膝が内側に入りすぎてしまった。グッと傾きかけた時に(膝から)バーン、と音が聞こえました。ブチッと聞こえたらどこか切れている可能性があるけれど、そうではない。『大丈夫だろう』とは思いましたけど、その瞬間はかなり痛かった。'17年にも国際試合で同じケガをしたことがあるので、その時以来ですね」

