バレーボールPRESSBACK NUMBER
「笑顔が消えた」23歳山地梨菜を救ったベテランの言葉「マミさんの日誌が心に響いた」SVリーグ女子・埼玉上尾“激闘CS争い”の舞台裏
posted2026/04/09 17:01
最終節までもつれたSVリーグ女子のチャンピオンシップ進出争い。山地梨菜(手前)ら若手とベテランが奮起した埼玉上尾は8位に滑り込んだ
text by

岩本勝暁Katsuaki Iwamoto
photograph by
SV.LEAGUE
「埼玉上尾メディックス、レギュラーシーズン8位でチャンピオンシップの出場が決定しました!」
場内アナウンスが吉報を伝えた瞬間、それまで無機質だった所沢市民体育館の空気に少しずつ温かみが広がっていった。生気が失われていた選手の顔から笑みがこぼれ、溢れる涙を手の甲で押さえる者もいた。まばらだったスタンドの拍手はやがて大きな波になり、会場はようやく祝福ムードに包まれた。
勝てばCS進出が決まる最終戦
レギュラーシーズンの最終節2試合を残し、上位8チームで争われるチャンピオンシップの最後の1枠は、8位の埼玉上尾メディックスと9位のデンソーエアリービーズの2チームに絞られていた。埼玉上尾が22勝20敗。デンソーが1ゲーム差の21勝21敗で追随している。土曜日のGAME1は埼玉上尾が3−2で、デンソーが3−1で勝った。この勝利でマジックを「1」に減らした埼玉上尾は、最終戦で勝てば無条件でチャンピオンシップ進出が決まる。しかし、埼玉上尾が負けてデンソーが勝てば、ともに23勝21敗で勝率は同じ。その場合は、ポイント差で上回るデンソーが8位に浮上、チャンピオンシップの最後の椅子をつかむシナリオだ。
ADVERTISEMENT
条件だけを見れば埼玉上尾が有利だった。しかし、岡山シーガルズとの最終戦は立ち上がりから苦戦を強いられることになる。第1セットを20−25で落とすと、続く第2セットも21−25で失セット。第3セットから入った内瀬戸真実の活躍で一矢報いたが、第4セットは16−25の大差で敗れた。
この時点で、デンソーの試合はまだ続いていた。チャンピオンシップ進出の可否が確定しないまま、ぎこちない空気が会場に漂っていた。岡山の勝利者インタビューが終わり、今シーズン限りで退団する岩澤実育がファンの前で挨拶する直前だ。アリーナMCから冒頭のアナウンスがあった。張り詰めていた空気が緩んでいった。
手をたたいて喜んだ岩澤は挨拶の最後に、「ファンの皆さまの力も借りて、1勝1勝挙げていけるように頑張ります!」とチャンピオンシップでの躍進を誓った。

