侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「ピッチクロック、NPBは“すでに”4年遅れだよ」元WBC投手コーチ・武田一浩が苦言…NPBへの警鐘「WBCで“ボールが滑る”を言い訳にしない」
text by

遠藤修哉Naoya Endo
photograph byKYODO
posted2026/03/29 11:01
ベネズエラ戦9回、ベンチから厳しい表情で試合を見つめる井端弘和監督と大谷翔平
「3月の今の時期にやるのは、各大陸の予選ラウンドだけにする。そこで勝ち上がったベスト8が、7月のオールスターブレイクを利用して1週間程度の休みを取る。そしてアメリカに渡って決勝トーナメントを一気に開催する。これが一番いいんじゃないかと思っている」
シーズン真っ只中の7月開催。そのメリットは計り知れないと武田氏は力説する。
「まず、選手のコンディションが万全の状態で臨める。シーズン中だから、体は完全に出来上がっている。球数制限も、今よりずっと緩やかにできるはず。最初から100球くらいは投げられる。そして何より、メジャーリーガーがより参加しやすくなる。球団側も、シーズン中の選手のコンディションを把握しているので、選手選考の判断がしやすくなるはずだ」
ADVERTISEMENT
もちろん、MLBやNPB、そして世界中のリーグが協力しなければ実現は難しい。しかし、WBCを真の“ワールドカップ”へと進化させるためには、避けては通れない道だと武田氏は考えている。
「ピッチクロックは“すでに”4年遅れ」
WBCの改革と並行して、NPBもまた、「世界標準」への適合を急ぐべきだと武田氏は強く訴える。
「まず、ピッチクロックは今すぐにでも導入すべき。アメリカはもう3年も前からやっている。今シーズンもNPBは導入しないから(来季から導入しても)4年も遅れてしまう。国際大会でいきなり対応しろと言われても、普段やっていないことを急にできるわけがない」
さらに、長年の懸案である「ボールの統一」についても言及する。
「日本のボールは他地域と比べて質が良すぎて、滑りにくい。だから日本の投手はメジャーのボールに馴染むのに苦労する。WBCとMLBで導入されているローリングス社のボールを世界中のプロリーグで使えば、問題は一気に解決するはずだよ」
ピッチクロック、統一球、そしてベースの拡大。MLBが導入しているこれらのルールは、単なる時間短縮や安全対策のためだけではない。野球というスポーツを、よりグローバルなエンターテインメントへと進化させるための布石だ。

