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「ピッチクロック、NPBは“すでに”4年遅れだよ」元WBC投手コーチ・武田一浩が苦言…NPBへの警鐘「WBCで“ボールが滑る”を言い訳にしない」
posted2026/03/29 11:01
ベネズエラ戦9回、ベンチから厳しい表情で試合を見つめる井端弘和監督と大谷翔平
text by

遠藤修哉Naoya Endo
photograph by
KYODO
「このままではいけない。大会も、そして日本の野球も変わらなければならない」。元WBC投手コーチの武田一浩氏は、そう警鐘を鳴らす。【《検証WBC》全4回の4回目/第1回~第3回も公開中】
「3月の限界」
侍ジャパンの準々決勝敗退。その要因を遡れば、大会が始まる前のメンバー選考の段階ですでに「誤算」があったと武田氏は指摘する。
「リリーフ陣の絶対的な軸になるはずだった松井裕樹(パドレス)、石井大智(阪神)、平良海馬(西武)を、コンディション不良で招集できなかった。これがベネズエラ戦の敗戦に象徴されるように、全てに響いた。なぜ彼らが故障を抱えてしまったのか。それは、この3月という時期に、選手が100%のパフォーマンスを出すことがいかに難しいかということを物語っている」
野球選手は、長いシーズンを戦い抜くため、3月末の開幕に向けてゆっくりと状態を上げていくようにコンディションを作っており、そうした体になっている。そのサイクルを無視して3月にピークを持ってくることは、選手にとって大きな負担となり、故障のリスクを格段に高めてしまう。
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「俺だって現役時代、開幕戦で絶好調だったことなんて一度もないよ。開幕直前の最後のオープン戦でようやく『ちょっといけるかな』と感じて、シーズンに入って1カ月くらい経った5月の連休あたりで、やっと本来の調子になってくる。それが普通の選手の感覚です。それを1カ月も前倒ししろというのは、やはり無理がある」
この問題は日本に限った話ではない。決勝戦でアメリカ代表のクローザー、メイソン・ミラーが所属球団との契約(同点ではマウンドに上がらない)を理由に登板できず、それがアメリカの敗戦に繋がった一件は、WBCが抱えるジレンマを象徴していた。
「3月+7月」という改革案
では、どうすればこの問題を解決できるのか。武田氏は、大会フォーマットそのものを抜本的に見直すべきだと提言する。その名も「WBC夏開催案」だ。

