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甲子園の風BACK NUMBER
沖縄尚学の誤算“センバツ初戦敗退”は必然だったのか? エース末吉良丞の復活、新垣有絃への必勝リレー「それでも勝てなかった」夏の甲子園覇者の現状
text by

松永多佳倫Takarin Matsunaga
photograph byJIJI PRESS
posted2026/03/28 17:02
センバツ1回戦で帝京に敗れた沖縄尚学。8回途中で逆転され新垣有絃にマウンドを託す末吉良丞
昨夏の正捕手が語る“沖縄尚学の課題”
九州大会優勝の九州国際大付が神宮大会で優勝したことにより枠が増え、九州大会ベスト8の沖縄尚学は“棚ぼた”のような形でセンバツに選ばれた。そして開会式直後の第1試合で帝京に3対4で敗れた。スコアだけを見れば接戦だが、内容は力負けと言っていいものだった。
完調とはいえないまでもコンディションを取り戻していた末吉は、7回まで無失点に抑えた。昨夏の県予選で見せたストレートの威力には及ばないものの、チェンジアップが有効に決まり、伝家の宝刀のスライダーは相も変わらずの切れ味で三振の山を築いていく。スクリューボール、チェンジアップとスライダー以外の球種の精度が上がっているのが印象的だった。
中盤以降はストレートの伸びが落ち、次第に帝京打線に捕まり始める。それでも要所を抑え、得点を与えないのはさすが末吉といったところか。
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3回に奪った先制点以降は打線が沈黙し、末吉の肩に重圧がのしかかる。そして迎えた8回。2つのエラーと四球絡みで一挙4点を奪われた。沖縄尚学が誇る末吉、新垣有絃の必勝リレーをもってしても、帝京の勢いを止めることはできなかった。
比嘉公也監督にしてみても、打線の弱さは織り込み済だったはずだが、大事な局面でのエラーはさすがに痛かった。これではゲームの主導権を取ることはできない。あえて率直に表現するなら、負けるべくして負けた試合だった。
筆者はこの試合を、昨夏の甲子園優勝キャッチャー・宜野座恵夢(現・沖縄電力)とともにテレビで観戦していた。末吉・新垣の女房役を務めた“沖尚の頭脳”が指摘する、現在の沖縄尚学の課題はどこにあるのか。
<続く>
